【大学の新設学部】2024年トレンドは「デジタル」と「グリーン」 ウェルビーイング、和食文化…
教員の専門性を確認
情報系、食関連系はどうだろうか。 情報系学部は、AI社会に対応できる人材が不足しており、それを補うためにつくられた。ところが、新しい分野である。教える側=情報の専門家もそう多くはない。実際、大学が情報関連の学部をつくるにあたって優れた専門家の取り合いになったという話がある。それゆえ、ふたをあけてみたら、教員のレベルが十分ではなかったケースも懸念される。専門性の高い分野である。情報系学部を選ぶにあたって、教員の専門性を確かめたい(とはいっても難解な分野なので、広報からしっかり教員やカリキュラムの「情報」を聞いておきたいものだ)。 食関連系学部もこれから増えることが予想される。健康、環境そして農業に関わる政治や経済など、すそ野は広い。こうした分野での人材の養成が見込まれる。2010年代につくられた東洋大食環境科学部、立命館大食マネジメント学部は食関連の分野で多くの人材を送り出している。25年には、日本女子大が食科学部(仮称)を設置する予定だ。今後に注目したい。
プロフィール
小林哲夫(こばやし・てつお)/1960年神奈川県生まれ。教育ジャーナリスト。大学や教育にまつわる問題を雑誌、ウェブなどに執筆。『大学ランキング』(朝日新聞出版)編集統括。『日本の「学歴」 偏差値では見えない大学の姿』(朝日新聞出版・共著)ほか著書多数。
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