<南ア>マンデラ元大統領はどんな人?
南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領(94)は、同国の人種隔離政策「アパルトヘイト」の下で30年近くを獄中で過ごした後、民主化の実現に貢献してノーベル平和賞を受賞。同国で初の黒人大統領になり、世界的に尊敬されている人物です。 1918年生まれ。大学卒業後の44年、黒人の権利回復をめざすアフリカ民族会議(ANC)の青年同盟を仲間と結成。51年に議長に就任し、反アパルトヘイト活動を本格化させます。ちなみにANCは後に政党になり、現在は与党です。 マンデラ氏は弁護士でもあり、52年に南ア初の黒人弁護士事務所を開設しています。 60年、人種差別に反発する黒人約70人が虐殺される事件が起き、その後ANCが非合法化されます。マンデラ氏は地下活動に入りますが62年に逮捕され、その後90年に釈放されるまで約28年間も獄中生活を強いられました。
2012年、肖像が紙幣に
釈放後は、アパルトヘイトの撤廃に向けて当時のデクラーク大統領と協力し、93年、同大統領とともにノーベル平和賞を受賞しました。 94年、南アで初めて全人種が参加して行われた選挙で、初の黒人大統領に選出されます。1期5年を務めたあと99年に政界を引退しますが、エイズ撲滅運動や2010年のサッカー・ワールドカップ招致に貢献するなど多方面で活躍。2012年11月には、マンデラ氏の肖像を描いた南ア紙幣が発行されました。