ハース、課題のタイヤマネジメントで進歩を確信。小松代表「今年はライバルたちと戦える!」
ハースF1チームの小松礼雄代表は、F1開幕戦バーレーンGPで昨年苦しんだタイヤマネジメントにおいて前向きな一歩を踏み出したことで、「レースができる」と語った。 【F1ハイライト】F1開幕戦バーレーンGP決勝 昨シーズン、ハースのドライバーたちがレースでタイヤマネジメントに苦しみ、早めにピットストップを行なって後退していってしまうのは日曜日によく見られた光景だった。 チームはこの問題を解決するためにVF-24の設計に注力し、バーレーンテストではロングランに集中した。 ニコ・ヒュルケンベルグが予選Q3進出を果たし、10番手とチームを勢いづけたものの、スタート直後のターン1でアクシデントに見舞われ、緊急ピットインでノーズ交換を余儀なくされた。 一方で15番グリッドからスタートしたケビン・マグヌッセンが12位と堅実な走りを見せたことは、ハースが昨年に比べてレースでのパフォーマンスを大幅に改善していることを示している。 小松代表は、昨年の開発プログラムによって今季マシンの開発遅れが危ぶまれたにも関わらず、チームは進歩を遂げることができたと明言した。 「今年のマシンを走らせる前に、もし誰かが開幕戦からポイント争いをすると言ったとしたら、そんなことは予想していなかったでしょう」 そう小松代表はmotorsport.comの取材に答えた。 「このVF-24の設計を始めたときから、どれだけの収穫があったかわかっています。オースティンのアップグレードによって(新車の開発を)2ヵ月間中断したことも知っている。つまり、それは単なる時間のロスであり、我々は遅れているんです」 「同じ時間があったとして、他のチームの開発速度は少なくとも我々と同じかそれ以上だと思っていました。我々は一番小さいチームなので」 「テストでは少し違うモノが見えたけど、それを当てにしたくなかったんです。もちろんFP2ではより多くのモノが見えました。それでもやはり、すべては決勝のためだったんです」 「だから予選も、2台ともQ2に進出することが目標でした。そしてQ2では、ニコが得意とすることをやってのけました。でも決勝のために新しいタイヤが必要だったので、ニュータイヤは使いませんでした」 「残念ながら、彼のスタートはあまり良くなくて、ターン1でレースが終わってしまいました。でもケビンのレースを見ればわかるように、今年は中団でレースをすることができます」 「ただマージンはありません。だからすべてが完璧でなければいけません。今回はそれができませんでしたが、それができればポイントを獲得できます。とてもポジティブです」 路面の攻撃性が高いバーレーンのコース特性を考えれば、この兆候は勇気づけられるモノだと小松代表は語った。 「どちらかと言えば、このサーキットは我々の弱点を露呈させるコースだと思うので、とてもハッピーです」 「路面温度は通常のバーレーンのレースほど暑くはありませんでした。でも、テスト中の真昼間、そしてFP1、FP3では弱点が見えたので、すべてが関係していると思います」 「もちろん、鈴鹿のような中高速コーナーの多いサーキットはまた違うでしょう。そこではより苦戦することになるでしょう」 「来週のジェッダ(サウジアラビア)も高速コーナーがあるし、ダウンフォースも低い。それはまた別の挑戦になるでしょう。でも12ヵ月前と比べた場合、我々はライバルとかなり近いところにいます。レースはできる。だから、とてもポジティブです」 初戦でハースがザウバー、RB、ウイリアムズ、アルピーヌと競い合うことを予想していたかと聞かれた小松代表は、それが驚きだったことを認めた。 「バーレーンのテストを走る前は、そんなことは予想していませんでした。正直なところ、さっきも言ったようにどのチームも馬鹿じゃありません。みんな我々より大きいチームですしね」 「それに我々はスタートが遅かった。2ヵ月も中断したので、どうすれば他に勝てると予想できるでしょう?」 「幸運なことに、我々は他のチームよりもいい仕事ができたようです。でも、そう決めつけることはできません。他の人たちに失礼だと思います」 小松代表は、チームの開発プログラムがローンチ・パッケージがタイヤの問題にうまく対処できるかどうかに依存していたと明かし、結果としていくらか変更が行なわれるという。 「バーレーンでは、我々のマシンは後方に位置すると予想していました。だから、アグレッシブに開発する必要があるんです」 「クルマを走らせるまで待つことはできません。だから準備中のものはすべて、冬の開発が正しい方向に進んでいることを前提としたものなんです」 「マシンを走らせたことで少しは理解できたので、ある方向性を変えてみるつもりです。でもそれは言ってみれば、シーズン序盤のものではありません」