ロシア経済に過熱の兆候、中銀はバランス取れた決定を=プーチン氏
Gleb Bryanski Vladimir Soldatkin [モスクワ 19日 ロイター] - ロシアのプーチン大統領は19日の年次電話会見で、ロシア経済は過熱の兆候が見られ、高いインフレを招いているとの認識を示した。中央銀行が20日の政策決定会合で「バランスの取れた」判断をすることを期待していると述べた。 プーチン氏は中銀の金融引き締め政策をおおむね支持する一方で、よりタイムリーな対応を取ることが可能だったとの見方を示した。 中銀は20日の会合で主要政策金利を200ベーシスポイント(bp)引き上げ、20年ぶり高水準の23%とすると予想されている。一連の利上げは企業から強い批判を招いている。 プーチン氏は、インフレは憂慮すべきシグナルだと指摘し、「政府と中央銀行はすでにテンポを下げる任務を負っている」と語った。 電話会見の前にナビウリナ中銀総裁と会談したが、20日の決定については知らされていないと述べた。その上で「バランスが取れ、現在のニーズを満たすものとなることを期待する」と表明した。 今年の経済成長率が4%になる可能性があるとしつつ、来年は金融引き締め政策と政府の景気抑制策の結果、成長が減速するとの見通しを示した。 「来年(の成長率)はソフトランディング(軟着陸)のような2─2.5%程度になると考えている」と述べた。 また、中銀は景気を冷やすためにもっと早く政策金利以外の手段を使うことができたし、政府も供給を増やすために経済のさまざまな部門と協力することもできたはずだと指摘した。 「こうした決定をタイムリーに行う必要があった。物価上昇は不快で悪いことだ」と述べた。ただ、全体としては、マクロ経済の安定を維持しながらインフレに対応できることを期待していると語った。 西側諸国の制裁措置や異常気象による農業の不作もインフレの原因との見方を示した。