佐藤流司&高橋克典&花總まりインタビュー「『応天の門』はいろんな方に楽しんでいただける作品」
この作品こそ明治座にぴったり
――ご共演経験もあるかと思うのですが、改めてお互いの印象はいかがですか? 佐藤さんは今日、初めて高橋さんとお会いされたんですよね。 佐藤 そうなんです。子どもの頃から知っていたので……かっこいいな、って(笑)。緊張していてまだ横顔多めでしか見れてないんですよ。稽古が始まったら真正面で向き合うシーンもたくさん出てくるので、早く慣れないとまずいな、と思っています。 ――まだ緊張されているとのことですが、高橋さんは佐藤さんの印象はいかがですか? 高橋 今時の若い人、という印象だったんですけど、今日お会いしてみたらとても真面目な方だなと思って。役にも合ってますしね。稽古が始まったもっとツンケンされて、やりこめられるのかな(笑)。非常に楽しみにしています。 花總さんは何度かお会いしたことはあるんですけど、お芝居では初めてご一緒させていただきます。やっぱり役の作り方もビシッとされていますから。僕はとてもセリフ覚えが悪いし、緩いので、迷惑をかけないようにしようと思っています(笑)。 ――佐藤さんと花總さんは2度目の共演ですね。 佐藤 嬉しいです。本当に綺麗な方だな、って。内面も本当に美しい方で……。 花總 いやぁ、まだそこまで知らないでしょ(笑)。 佐藤 ははっ! お美しいであろうお方で(笑)。前回も本当に優しくしていただいて、ありがたかったことを覚えていますね。 ――花總さんから見てお2人の印象もお聞かせいただけますか。 花總 克典さんはお会いしたことがあるんですけど、今日が今までで一番長い時間お話させていて。かっこいいなあ、ダンディだなあ、って。 高橋 はい、ありがとうございます(笑)。 花總 流司くんとは、初共演のときはそこまで打ち解けられなかったんですよね。たまたま稽古場でお隣だったので、ちょっとだけ深掘りできたんですけど、公演が始まると会わなくなっちゃいますし。2回目の共演でもっと研究しようかな、と思っています。たぶんお稽古始まったらそれどころじゃないと思うんですけど、隙を見て、距離を縮めたいですね。 佐藤 ぜひぜひ、お願いします! ――『応天の門』は明治座での公演となりますが、ご自身の明治座への想いやエピソードがありましたら教えていただけますか。佐藤さんは初めての明治座ですよね。 佐藤 歴史ある場所に立てること、あとはいつも応援してくださってる方を今回こうして連れてくることができて、よかったなって思います。演出の青木さんも余すことなく明治座を使うとおっしゃっていましたから、ほかの劇場ではできないような体験ができるんじゃないかな、と楽しみです。 高橋 一度やらせていただいたときはコロナ禍のとき。座席も隣をひとつ空けて座って、遠方からのバスのお客様もない状態でした。興行ができるだけでも幸せ、という状況の中でしたけど、明治座なのにすごくアゲインストな空気を感じながらやっていました。 でも本来は地方のお客様もいますし、明治座で芝居を観て、ご飯を食べて、お土産を買って、1日を費やして楽しむ。ストイックな芝居っていうよりは、本当に演劇、娯楽の演劇としての立ち位置の場所なんですよね。今回は、平安ものですし、まったりと空気も楽しんでいただけたら。 花總 一度、明治座に立たせていただいたときは、いらしてくださる方には早めに来てくださいねって言っていたんです。お弁当が食べられますからね、って(笑)。 言っておかないと、私がいつも出させていただくような公演は開演何分前に行って、休憩はトイレに並んで……という感じで終わってしまうんですけど、明治座は1日楽しめる感覚で来てね、という気持ちなんです。 最近は帝国劇場さんがクローズすることもあって、明治座でいろいろなミュージカルも上演されていますけど、この作品こそ明治座さんにぴったりかな、と思うので1日どっぷり世界観に浸っていただきたいですね。 取材・文:ふくだりょうこ <公演情報> 舞台『応天の門』 公演期間:2024年12月4日(水)~12月22日(日) 会場:明治座