「当たり前の幸せに気づけた。そんな1年」女王・安井友梨、ケガを経て沸き上がった感謝の思い
「私ひとりの力ではここまでたどり着くことはできなかったので。ここまで育てていただいたみなさん、サポートしてくださっているみなさんが、私ひとりでは到底手の届かないところまで連れてきてくださったなという思いです」 【フォト&ムービー】オールジャパン9連覇をつかんだ安井のステージ 言葉の主はフィットネス女王・安井友梨。9月29日、岡山県芸術創造劇場で開催された「オールジャパン・フィットネス・チャンピオンシップス2024」(フィットネス競技の身長別日本一決定戦)に登場した彼女は、ビキニフィットネス163cm超級で9連覇を達成し歓喜に湧いた。
昨年はシーズン途中に負った左足の指の骨折の影響で、トレーニングはおろか歩行もままならない状態に陥った。その中でも各大会で優勝をつかんだ彼女は、苦難のシーズンを越えたからこそ感じることがあるのだと言う。 「今年はもうトレーニングできるだけですごくうれしくて。スクワットができたら幸せだし、有酸素運動をしていても喜びを感じます。ヒールを履いてポージング練習することの喜びだったり、自分が思うステージを思う存分できることが歓喜でしかなくて、毎日が喜びでいっぱいです。当たり前のことの幸せに気づけたっていう。そんな1年ですね」
感謝を胸に、晴れやかな表情でステージを舞った安井。今大会でつかんだ9連覇の称号は、さらなる躍進の足掛かりになるだろう。昨年はフィットモデル(ドレスとスイムスーツ着用部門)で世界一を獲得しており、今年の目標はビキニフィットネスでの世界制覇。そのためにも10月6日のフィットネス・ジャパン・グランド・チャンピオンシップス(無差別級日本一決定戦)で5連覇を成し遂げ、最高の形でIFBB世界女子選手権(12月16日~19日)につなげたい。 「日本で世界選手権が開催されるということで、やっぱりビキニで世界一を獲りたいです。今年で競技を始めて10年目になるので、10年間応援してくださったみなさんのために君が代を流したい思いがすごく大きいので、コンディションをまた一段上げていきます」 昨シーズンの苦難を乗り越え、心も体も充実した状態でさらなる高みを目指す。国内での実績更新、そして世界での悲願達成に向け、女王は歩みを止めることはない。
取材・文・写真/森本雄大