⚾ハヤテ始球式、卓球レッスン…“非日常福袋”どれ選ぶ? 静岡県内百貨店初売りへ、働き方改革配慮も
2025年1月2日、3日の初売り商戦を控え、静岡県内百貨店が福袋の準備を進めている。物価高で消費者の節約志向が強まる中、各店は地元スポーツチームとのコラボ品など、非日常を提供する福袋を強化。縁起が良い新春の消費喚起を図りながら、事前予約販売や営業時間短縮などで従業員負担を減らす工夫も施し、持続可能な販売形態を模索する。 25年ぶりに2日を休業とし、3日が初売りの松坂屋静岡店(静岡市葵区)。「ウェルビーイングライフ(心身ともに豊かな暮らし)」を掲げ、従業員の働き方改革を進めつつ、体験型企画を充実させた。地元プロ野球チームくふうハヤテベンチャーズ静岡の始球式権利や名入りユニホームなどを詰めた福袋(55万円)、フジドリームエアラインズの2万円~6千円の航空券が当たる「運試し割引クーポンガチャ」(5千円)などを用意する。 2日が初売りの静岡伊勢丹(同区)は住宅や車、貸し切り運行電車の旅などの高級品に加え、プロ卓球Tリーグ静岡ジェード選手による卓球レッスン体験などのプランをそろえた。コロナ禍で定着した事前予約は好調に推移。松坂屋静岡店の2日休業も商機と捉え、在庫数を拡充させて低調だった今年の初売りから巻き返しを図る。大庫江里香マネージャーは「多彩な客層が来店する初売りを次代のファンづくりにつなげたい」と意気込む。 同じく2日開始の遠鉄百貨店(浜松市中央区)は、利便性と買い物の楽しさの双方を追求する。持ち運びにかさばる食器類や布団など配送型福袋を新たに始める一方、ウェブ予約販売数を24年の40種2300点から33種2000点に減らし、店頭販売分を増やした。従業員の就労時間にも配慮し、2、3日の開店時間を30分、閉店時間を1時間短縮する。三宅隆史マーケティング戦略課長は「にぎわいでお客さまにリアルな買い物の醍醐味(だいごみ)を感じてもらいながら、従業員にも正月を楽しむ時間を提供したい」と話す。
静岡新聞社