【第96回アカデミー賞 受賞一覧】「オッペンハイマー」が作品賞、監督賞はじめ最多7冠! 日本勢は「ゴジラ-1.0」「君たちはどう生きるか」が受賞
第96回アカデミー賞(2024)授賞式が3月10日(現地時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、クリストファー・ノーラン監督作「オッペンハイマー」が作品賞、監督賞をはじめ7部門を制した。なお、日本勢では「ゴジラ-1.0」が視覚効果賞、「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞を受賞する快挙を成し遂げた。日本の作品が2部門で受賞したのは、2009年(外国語映画賞の「おくりびと」と短編アニメーション賞の「つみきのいえ」)以来15年ぶりとなる。 【フォトギャラリー】第96回アカデミー賞の授賞式&レッドカーペットの模様 クリストファー・ノーラン監督がメガホンをとった「オッペンハイマー」がオスカー戦線を独走した。作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞という主要部門のほか、編集賞、撮影賞、作曲賞を受賞。“無冠の帝王”と呼ばれていたノーラン監督は監督賞受賞時、プレゼンターのスティーブン・スピルバーグからオスカー像を受け取ると、「この作品の可能性に気付いてくれてありがとう」とスタジオ、原作、キャスト、スタッフ、家族、アカデミーなどそれぞれの関係者に謝意。さらに、「私を信じてくれてありがとう」と述べる。そして、「映画の歴史には100年にわたって様々なことがありました。その旅は今後どこに導かれていくのはわかりませんが、その一役を担えたことに感謝しています」と感慨深げに締めくくった。 主演男優賞に輝いたキリアン・マーフィは、ノーラン監督や「オッペンハイマー」のチームに「ワイルドでクリエイティブな旅に出ることができました」と感謝を伝えてから、家族の名前を挙げて「本当に愛しています。アイルランド人として誇らしく思っています」とスピーチ。最後に、「私たちは原爆を作った男についての映画を作りました。良くも悪くも、私たちは皆オッペンハイマーの世界に生きています。この映画を、和平を構築する人々に捧げたい」と結び、会場から大きな拍手が上がった。 日本勢も“躍動”した。視覚効果賞を制した「ゴジラ-1.0」だが、同賞を邦画・アジア映画が受賞した実績はなく、史上初の快挙。また、長い歴史を持つアカデミー賞の中で、監督として視覚効果賞を受賞したのは「2001年宇宙の旅」のスタンリー・キューブリックのみ。山崎監督は55年ぶり、史上2人目の受賞監督となった。 山崎監督は、「40年以上前に『スター・ウォーズ』と『未知との遭遇』を見たショックからキャリアをスタートさせた私にとって、この場所は望む事すら想像しなかった場所でした。ノミネートの瞬間、私たちはまさにロッキー・バルボアでした。強大なライバルたちの前でリングに立たせてもらえた事はすでに奇跡でした。しかし私たちは今ここにいます。この場所から遠く離れたところでVFXを志しているみんな! ハリウッドが君たちにも挑戦権があることを証明してくれたよ! 最後にスタッフキャストを代表して、去年失った我々のプロデューサー、阿部秀司さんに言いたいです。『俺たちはやったよ!』と。ありがとうございました!」と喜びをかみ締めた。 また、宮﨑駿監督作「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション賞に輝いた。 ▽作品賞 「オッペンハイマー」 ▽監督賞 クリストファー・ノーラン「オッペンハイマー」 ▽主演男優賞 キリアン・マーフィ「オッペンハイマー」 ▽主演女優賞 エマ・ストーン「哀れなるものたち」 ▽助演男優賞 ロバート・ダウニー・Jr.「オッペンハイマー」 ▽助演女優賞 ダバイン・ジョイ・ランドルフ「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」 ▽脚本賞 ジュスティーヌ・トリエ、アルチュール・アラリ「落下の解剖学」 ▽脚色賞 コード・ジェファーソン「アメリカン・フィクション」 ▽視覚効果賞 「ゴジラ-1.0」 ▽美術賞 「哀れなるものたち」 ▽撮影賞 ホイテ・バン・ホイテマ「オッペンハイマー」 ▽衣装デザイン賞 「哀れなるものたち」 ▽長編ドキュメンタリー賞 「実録 マリウポリの20日間」 ▽短編ドキュメンタリー賞 「ラスト・リペア・ショップ」 ▽編集賞 ジェニファー・レイム「オッペンハイマー」 ▽国際長編映画賞 「関心領域」(イギリス) ▽音響賞 「関心領域」 ▽メイクアップ&ヘアスタイリング賞 「哀れなるものたち」 ▽作曲賞 ルドウィグ・ゴランソン「オッペンハイマー」 ▽長編アニメーション賞 「君たちはどう生きるか」 ▽短編アニメーション賞 「War Is Over! Inspired by the Music of John & Yoko(原題)」 ▽歌曲賞(主題歌賞) “What Was I Made for?”「バービー」 ▽短編実写映画賞 「ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語」