需要急増のやせ薬、イーライリリーがアマゾンと提携し直接販売拡大へ
(ブルームバーグ): 米製薬大手イーライリリーはアマゾン・ドット・コムと提携し、減量薬を患者に直接販売する事業を拡大する。
減量薬は需要が急増しており、入手に困難が生じる場合がある。それを受け、リリーは今年に入り状況改善に向けて「リリーディレクト」を開始。患者はオンラインで医師とつながり、一部の医薬品はトゥルーピルといったオンライン薬局を通じて届けられる。このサービスに、アマゾンのオンライン薬局「アマゾン・ファーマシー」が加わる。
リリーのグローバル・バリュー・アンド・アクセス担当のグループ・バイスプレジデント、フランク・カニンガム氏は、アマゾンとの提携により処方箋を受け取るまでの時間を短縮できる可能性があると指摘。「われわれはパートナーとの協力を通じて利便性の向上を図りたいと考えている」と語った。
デイビッド・リックス最高経営責任者(CEO)は12日、ニューヨーク・エコノミック・クラブでのブルームバーグとのインタビューで、直接販売の事業はこれまでのところ「驚くほど成功している」と発言。広く利用されており、「需要に追いつくのに苦慮している」と語った。
リリーは直接販売事業に関する詳細なデータは開示しておらず、今回の取材でも具体的な説明は避けた。
体重減少を引き起こす「GLP-1受容体作動薬」への需要が爆発的に伸びる中、従来の医療機関だけでなくオンライン医療も合わせて利用する患者が増えている。そうしたオンライン医療では、実際に専門的な知識を持ち、個別のサービスを提供するものもあるが、中には処方箋を準備するだけでそれ以上のサービスはほとんど提供しないプログラムもある。
原題:Lilly Partners With Amazon to Sell More Weight-Loss Drugs(抜粋)
--取材協力:Matt Day.
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Madison Muller