紀州のドン・ファン 「銀座の天ぷら屋」で元妻に電話で “離婚してほしい” 一方「北海道No.1」と元妻を自慢する場面も… 死亡直前に3回食事した女性が証人尋問で語る【裁判詳報】
死亡3日前 知人女性に “6月に愛犬のお別れ会を開く” と説明
女性が野﨑さんと2回目に会ったのは、同年5月7日。証人尋問や供述調書によれば、野﨑さんが「いま病院にいてこれから大手術がある」「余命1年と言われた」「これから目が見えなくなってしまうのに誰も来てくれない」などとウソをついて、女性を病院に呼び出し、また銀座の天ぷら屋に向かった。謝礼としてか、女性には10万円が支払われたという。 そして3回目に会ったのは、同年5月21日。野﨑さんが亡くなる3日前だ。この日も銀座の天ぷら屋での会食だったが、ここで野﨑さんは女性に “(5月6日に死んだ)愛犬のお別れ会がある。ビールを注いだり、仕事があるから来てほしい” “お別れ会は6月11日か12日、そのあたりで開く”と述べたという。 女性は渋ったというが、5月24日午前には野﨑さんの口座から女性の口座に、和歌山までの航空券代として20万円が振り込まれた。野﨑さんが亡くなった当日である。 検察側としては、この女性への尋問を通して、▽野﨑さんには須藤被告と別れたい意思があった ▽将来の予定も入れていた点などからも野﨑さんに自殺の兆候はなかった という点を明らかにする狙いがあったとみられる。 尋問の最後に、後者の点をめぐり裁判員の男性が質問した。 裁判員 「野﨑さんから『死にたい』といった発言を聞いたことはありますか?」 知人女性「ないです」
「ヘルスケア」アプリのデータを解析 覚醒剤摂取させた可能性ある時間に「8回の階層上昇」 被告が野﨑さんがいる2階に上がったか
10月3日の午後の証人尋問には、立命館大学情報理工学部の西尾信彦教授が出廷した。屋内測位(位置情報を把握する技術)の専門家である。 西尾教授は検察側から依頼を受け、須藤被告のスマートフォンに入っていたアプリ「ヘルスケア」をめぐり、クラウドに残っていたデータを解析。その結果、須藤被告が野﨑さんに覚醒剤を摂取させたと検察側がみている、2018年5月24日午後4時50分頃から午後8時頃までの間に、8回の「階層上昇」が確認されたという。 階層上昇は、▽加速度センサーによる「歩行」の検知と、▽気圧センサーによる「気圧変化」の検知がかけ合わされた時に初めて記録されるといい、西尾教授は “昇っていないのに検知されることは、まず起こらない” と説明した。 検察側は初公判の冒頭陳述の際に、被告は事件当日の午後4時50分頃から午後8時頃までの間に、野﨑さんがいる2階に8回上がったと主張したが、その主張は西尾教授の解析が根拠になっているとみられる。 次回第9回の公判は10月7日(月)に行われる。 (MBS報道センター 松本陸)
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