復活した“ラスボス”小林幸子、母の背中に見た「オマケ精神」の原点
昨年には「NHK紅白歌合戦」に4年ぶりに復帰して話題となった歌手・小林幸子(62)。その原動力となったのが、若い世代からの圧倒的な支持だ。ベテラン演歌歌手ながら“ボカロ曲”に挑戦したり、コミケに参加したりと新境地を開拓。最近も、人気オンラインゲーム「ファンタシースターオンライン2(PSO2)」のゲーム内のライブに芸能人として初めて登場するなど、注目を集めている。そんな小林の復活の裏には、今は亡き母の背中に学んだ“オマケ精神”があるという――。 類まれなる歌唱力で『おもいで酒』や『雪椿』など数々のヒット曲を世に放ち、11年まで「紅白」に33回連続出場を果たすなど、演歌歌手として輝かしい実績を誇る小林。 だが、芸能生活50年を超えるキャリアや実績に甘んじることなく、13年に自ら「ニコニコ動画」にカバー曲を投稿し、3日間で100万回以上のアクセスを記録。 その後も持ち前の歌唱力を発揮し、ボカロ曲をカバーした『さちさちにしてあげる♪』や『千本桜』などを世に放ち音楽チャートを賑わせた。
ボカロ曲で呼吸困難になりそうになったことも
「正直、はじめは『ボカロって何ですか?』って感じだったのですが、色々と勉強させて頂く中で、『ボカロ曲』にも興味を持ちはじめて。ただ、実際に歌ってみると、『ボカロ曲』はコンピューターで作成した曲なので、普通ではあり得ないような音階やメロディーラインが出てきたり、ブレスする所がなかったりするんです。(人気ボーカロイドの)初音ミクさんは36節ある曲でも、1回も息継ぎなしで歌っちゃうわけですよ。でも、人間は息をしないといけない。私もプロの歌い手として、『ここでは切れない!』と思って歌うんですけど、呼吸困難になったりもしました(笑)」 好調なCDセールスに加えて、長蛇の列ができた日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット」でのCD即売などが大きな話題となり、昨年には一度落選すると復帰は難しいとされる「紅白」に4年ぶりに復活。歌手別視聴率や話題性でも同番組に大いに貢献し、存在感を放った。 今では、“演歌歌手・小林幸子”として、若い世代からは「紅白」での巨大衣装のイメージをキッカケにした愛称“ラスボス”として、世代を超えて愛される歌手となった。