舞台『いびしない愛』開幕 マキノノゾミ、南沢奈央、東風万智子のコメントが到着
ala Collectionシリーズ vol.15『いびしない愛』が、2024年10月9日に岐阜・可児市文化創造センターala 小劇場で初日を迎えた。 【全ての写真】ala Collectionシリーズ vol.15『いびしない愛』より ala Collectionシリーズは、可児市文化創造センターalaが毎年質の高い演劇作品をアーティスト・イン・レジデンスで創作し、可児公演、東京公演、そして全国公演へと作品を発信するプログラム。15回目を数える今回は、第26回劇作家協会新人戯曲賞を受賞した劇作家・竹田モモコによる『いびしない愛』が上演される。 タイトルにある言葉「いびしない」は、高知県西部の方言(幡多弁)で「汚れた」「散らかっている」という意味。その言葉に象徴されるように、煤で薄汚れた「ふし(節)工場」を舞台に、コロナ禍で工場の経営に行き詰まる次女・喜美子と姉・しおりの姉妹の確執を主軸として、ふぞろいな登場人物らの不格好な生き方を描きながら、人間の可笑しさや愛おしさを伝える物語となっている。南沢奈央が主演を務めるほか、東風万智子、佐藤祐基、内藤裕志、長江英和が出演する。演出はマキノノゾミが手がける。 マキノは本作について「この作品は、作家の竹田モモコさんがコロナ禍の頃にご自分の公演が中止になるなど苦労されている時期に書かれた作品です。あの頃は、僕らの仕事は“不要不急”の最たるものだと考える向きもあり“人と近づいてはいけない”“しゃべってはいけない”ということで、演劇は八方塞がりの状態でした。ですがそんな時期に竹田さんは今回書かれたことを考え作品に昇華させたわけで、そのことにも感動しております」とコメント。また「わたしにとって8年ぶり、3回目の『ala Collection』ですが、アーティスト側からしても本当に贅沢な環境を与えていただき、全国的に見てかなり貴重な場所であることは間違いありません」と語った。 南沢は東風と演じた姉妹役について、「この姉妹は結構対照的で、お姉ちゃんはなんでも出来て、妹の自分にはそういう部分がなくて、ちょっと劣等感を感じたり、お姉ちゃんは障がいがあるから周りから特別に扱われていることを卑屈に思っていたりしています」とコメント。役作りについては「幡多弁は、最初に台本を読んだ時に、どういう意味?という言葉がいっぱいありましたが、まずは体に馴染ませることから入りました。普段のお芝居の作り方とは違って、音からまず入った感覚がありました。自然に出来るようになるには、苦戦しましたが、体に入って来るとどんどんグルーブ感が出て来て、今は楽しんで出来てます」と明かした。 『いびしない愛』は、10月14日(月・祝) まで同所で上演後、10月25日(金) から10月31日(木) に東京・吉祥寺シアターで上演される。さらに新潟、栃木、大阪、香川公演も予定されている。