【解説】岸田首相「不出馬」決断の“3つの理由” 次の総裁は…“ポスト岸田”に早くも動き
■ナゼ不出馬?“3つの理由”
藤井キャスター 「この総裁選に『出ない』という決断、これは元々考えていたものなのでしょうか」 小栗解説委員長 「実際に総裁選に出るかどうかについては、ギリギリまで相当悩んでいたようです。というのも、首相側近は、直前まで岸田首相の会見案について、出馬するパターンと出馬しないパターン、両方を用意していたと明かしています。ではなぜ“出馬しない”となったのか。大きく分けて3つ、理由があると思います」
■理由1…野党への転落を防ぐ
小栗解説委員長 「まず1つ目。『野党への転落を防ぐため』。今月初め、岸田首相は周辺に『自分のことより、自民党が政権党でいられるかどうかを最優先に考えている』と話していたそうなんです。つまり、次の衆議院選挙で自民党が負けない態勢を作りたいと」 「別のある側近議員はきょう(14日)『岸田首相は、いま自分が総裁選で勝てたとしても衆議院選挙に勝てるかというと、そうではない。自分が代わることが選挙に勝つことにつながると考えた』と話しています」 藤井キャスター 「つまり岸田首相は、自分では政権選択の衆議院選挙に勝てないと判断した、ということですね」
■理由2…立憲との違いを強調
小栗解説委員長 「はい、その通りです。もう一つが、選挙の最大のライバルである『立憲との違いを強調したい』。折しも、野党第1党の立憲民主党が、来月代表選挙を予定しています。すでに立候補を表明しているのは、枝野前代表、そして今の代表の泉氏が立候補の意向を周囲に示しています」 「ある自民党議員は『立憲はいまだに古い顔でやっている。自民党は真剣度が違うんだと見せる必要があった』と話しています。ただ、これには立憲の泉代表は、強く反発していて『総理総裁を代えて、心機一転、過去を忘れてもらおうという自民党の手法に、国民がいつまでも引っかかっていてはいけない』と話しています」
理由3…影響力を残す
小栗解説委員長 「そして、3つ目が『影響力を残す』です。首相周辺からは『攻めの退陣表明。このタイミングで辞めることが一番影響力を残せるという判断。総裁選に出て負けたら、すべてのレガシーが台無しになってしまいますから』という声が聞かれました」 「つまり、ここで自ら身を引けば、菅前首相のように影響力をまだ残せる、場合によってはリーダー選びのカギを握る“キングメーカー”になれるかもしれない、というわけです。ある自民党関係者は『もう1回首相に、ということだってあるかもしれない』と話していました」 藤井キャスター 「清史郎さんはどう思われますか?」 加藤清史郎さん(俳優・『news zero』水曜パートナー) 「政権交代しないこと、それは自民党には大事なことだろうけど一番の目的がそこになるのは少し違うなと思います。いまの政治は相手を批判することで自分を優位にしようとしているように感じてしまう。批判することの基本にあるのは、削りあう作業でなく、日本のことを考えて高めあうべきであってほしいなと。もし選挙があるのであれば、わたしたちは情報を見聞きして判断しないといけないなと思います」 (8月14日放送『news zero』より)