亡くなった母のタンス預金「300万円」を発見! 子どもの大学進学費用にしても大丈夫? 見つけた人が使うと「トラブル」になる可能性も!?
子どもの教育費で物入りなとき、たまたま亡くなった母親のタンス預金を発見したらどうするでしょうか?「助かった!」と、大学進学費用に充てる人もいるかもしれませんね。 ただ、その場合は問題が発生する可能性もあるので注意が必要です。ではどう対応するのがよいのでしょうか。本記事で解説します。
タンス預金は発見者のものではない
まず知っておかなければならないのは、「タンス預金は発見者のものではない」ということです。子どもの大学進学費用が必要な時期にタンス預金を見つけたからといって、そのまま流用してはいけません。「絶対に」です。
タンス預金は相続人のもの
タンス預金は所有者のものですが、その所有者が死亡している場合には相続財産となります。相続財産とは、死亡した人の現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などなど金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものをいいます。 相続財産は相続人に引き継がれることになりますが、まだ引き継ぐ人が決まっていない間は相続人全員の共有財産になります。 例えば、相続人が発見者と発見者の兄、姉の場合、タンス預金を引き継ぐ権利は3人にあるのです。3人で話し合い、全額を1人が相続するのか、3人で平等に分けるのかなどを決める流れになります。
タンス預金300万円を子どもの大学進学費用にしてよいのか
タンス預金300万円を発見者が相続することになったのであれば、子どもの大学進学費用に使おうと、貯金しようと自由です。ただ、相続人で引き継ぐ人を話し合う前に使ってしまうと問題となります。タンス預金の所有者は「相続人全員」だからです。使い道の問題ではないのです。 タンス預金を勝手に使う行為は、他の相続人の財産を奪っているのと同じです。 もし、その事実が他の相続人に知られた場合には、相続トラブルになる可能性は高いのではないでしょうか。既に300万円を大学進学費用に使っている場合、1人100万円ずつとして200万円を返すように言われる可能性も考えられます。 タンス預金を発見したら、速やかに相続人全員に連絡しましょう。着服の疑いをもたれないようにするために、もし発見時にそばに誰かいれば金額を一緒に確認してください。封がしてある場合には開けずに、相続人全員がそろってから一緒に開けるとよいでしょう。