父の仇討ちを誓った少年・深草丘十郎を演じる奥智哉

前田拳太郎と奥智哉がW主演を務めるドラマ「君とゆきて咲く～新選組青春録～」(毎週水曜夜0:15-0:45、テレビ朝日※関東ローカル)の第1話が4月24日に放送された。父親の仇討ちのために新選組への入隊を志願し、大作(前田)との試合に挑む丘十郎(奥)の姿が感動を呼び、SNSでも「丘十郎に感情移入してしまった…」「仇討ちのために必死に食らいつく姿に涙が出るよ」とコメントが寄せられた。(以下、作品のネタバレを含みます) 【写真】前田拳太郎“大作”に覆いかぶさって倒れる奥智哉“丘十郎” ■「君とゆきて咲く～新選組青春録～」とは 本作は、史実を織り交ぜながら隊士たちの葛藤を描いた、手塚治虫氏の隠れた名作「新選組」を原作とした“シン・時代劇ドラマ”。幕末の時代を生き、はかなく散っていった新選組隊士たちの青春群像劇を、殺陣パフォーマンスや剣舞を取り入れた新たなスタイルで描く。 近藤勇や沖田総司、芹沢鴨など、新選組メンバーを中心に実在の人物も登場するが、物語の中心となるのは、オリジナルキャラクターとして描かれる深草丘十郎、鎌切大作という若き二人の隊士。二人は熱い友情を育んでいくものの、いつしか時代の波に翻弄(ほんろう)され、互いに殺し合わなくてはならない悲壮な運命へとなだれ込んでいく。 物語の主人公となる大作と丘十郎を演じるのは、前田拳太郎と奥智哉。「仮面ライダーリバイス」(2021年～2022年、テレビ朝日系)で共演経験のある二人が、本作では熱い友情で結ばれた新選組の若き隊士を演じる。 また、二人を取り巻く新選組隊士には、杢代和人(原因は自分にある。)、羽谷勝太、柊太朗、庄司浩平、簡秀吉、藤岡真威人、阪本奨悟、永田崇人、三浦涼介、高野洸ら、舞台から音楽、SNSまでさまざまなステージで活躍する若手キャストが集結。なかでも、「人生が変わる、シン・時代劇オーディション『真剣 SHINKEN』～新選組への道～」と題したオーディションで南無之介役を勝ち取った羽谷のほか、ともに最終審査を戦った柊太朗、庄司、上野凱らがどんな躍動を見せるのかも注目される。 ■丘十郎は父の仇討ちのために壬生浪士組への入隊を決意する 文久3(1863)年の京都。お人好しの父・七也が営む小さな茶屋で働く深草丘十郎(奥智哉)は、慎ましくも誠実に日々を生きていた。ところがある夜、店に逃げ込んできた佐幕派藩士をかくまった七也が、長州藩士の庄内玄悟(上野凱)に斬り殺されてしまい、その穏やかな日常が一変する。 怒りに震える丘十郎は庄内ら一味を追うべく店を飛び出すが、そこに現れた男が丘十郎の思いを引き取るかのごとく藩士の一人を鮮やかに斬り捨てる。彼は壬生浪士組局長・近藤勇(高野洸)と名乗り、丘十郎に「お父上の勇気に感謝する」と弔いの言葉をかけて去って行く。 逃げた庄内への復讐を誓う丘十郎は、壬生浪士組への入隊を決意する。 ■大作が背を向けた瞬間、地べたに突っ伏していた丘十郎が… 隊士募集の張り紙を頼りに入隊試験の会場に乗り込むが、集まったのは渋皮喜平(簡秀吉)をはじめ、いずれも腕に覚えのある実力者ばかりで、刀を持つことすらおぼつかない丘十郎は試合に臨むもまったく歯が立たない。 それでも父のかたきを討つために入隊をあきらるわけにいかないと丘十郎は訴え、沖田総司(藤岡真威人)の指示により、応募者の中でも群を抜く剣の達人・鎌切大作(前田拳太郎)と対戦することに。 大作は「一撃でも当てられたら君の勝ちでいいよ」と静かにほほ笑む。「その言葉忘れるな！」と丘十郎は木刀を振りかざして挑むが、こてんぱんにやられてしまう。「そろそろ終わりにしようか」と大作は言って一撃で丘十郎を倒す。しかし、大作が背を向けた瞬間に、地べたに突っ伏していた丘十郎が飛び起きる。素早く大作が丘十郎を制するが、同時に丘十郎の木刀も大作の腰に当たっていた。 大作は立ち上がろうとする丘十郎もろとも地面に倒れる。丘十郎は大作の顔を見あげ、「やっと、俺を見た」と言って力尽きるのだった。 丘十郎のまっすぐな瞳にはパワーがあり、彼の悔しさと意思の強さが伝わってきて胸が熱くなった。SNSでも「丘十郎に感情移入してしまった…」「大作と丘十郎の関係性が好き」「仇討ちのために必死に食らいつく姿も涙が出るよ…」とコメントが寄せられた。 ◆構成・文＝牧島史佳