熊本市電、赤信号を見落とし交差点進入 今年のトラブル13件目
熊本市交通局は9日、市中央区の九品寺交差点で停車していた市電が赤信号を見落として交差点内に進入したと発表した。今年判明した市電の運行トラブルは13件になった。 交通局によると、9日午前6時22分ごろ、交差点で信号待ちをしていた上熊本発健軍町行きの車両(1両編成)が、自動車が左折できる矢印信号が点灯したのを誤認して直進した。目撃者から連絡があり、交通局はドライブレコーダーの映像からインシデントに当たると判断した。 50代の男性運転士は「赤信号という認識はなかった」と話しているという。運転士と乗客1人にけがはなかった。 交通局は相次ぐ運行トラブルを受け、9月に国土交通省九州運輸局から改善指示を受けた。安全管理体制の見直しの一環で、今月1日、専任の安全統括管理者を置いたばかりだった。 記者会見した井芹和哉交通事業管理者は「安全対策に取り組んでいるさなかで、大変申し訳ない」と陳謝。島田裕士安全統括管理者は「赤信号では止まるという意識を再度徹底するとともに、原因や背景を分析し、長い目で見た対策を考えたい」と述べた。(馬場正広)