「釣りバカ日誌7」東尋坊ロケから3年後、西田敏行さんが見せた福井への愛情と優しさ溢れる行動
東京都の自宅で死去したことが10月17日に分かった俳優の西田敏行(にしだ・としゆき)さんは、福井県を舞台にした1994年公開の映画「釣りバカ日誌7」でも、スーさん役の故三国連太郎さんとの名コンビで笑いと人情味のあふれる傑作ドラマを織りなした。 映画はJR福井駅前からスタートして、越前海岸や三方五湖をはじめ県内各所が登場する。メインとなる東尋坊ロケは94年秋に行われた。西田さんふんするハマちゃんが、スーさんと岩場で釣りをしているところへマドンナ役の名取裕子さんがやって来るストーリーだった。 2009年に最終作「釣りバカ日誌20 ファイナル」が完成し、PRのため福井新聞社を訪れた際には「あのころは僕も三国さんも若かったから、ひょいひょいと東尋坊を上った。東尋坊から眺めた海の景色や開放感は今も忘れられないな」と懐かしそうに振り返った。 映画公開から3年後の1997年1月、坂井市三国町沖でナホトカ号重油流出事故が起きた際には「ニュースで知って、居ても立ってもいられず、キャストやスタッフに声を掛けてバスをチャーターして手伝いに行った」と語った。ただ「残念なことにその日だけ、偶然にも回収作業が休みで。そこで風評被害が心配されていた越前がにをおいしく食べるという“ボランティア作業”をさせていただきました」と、ユーモアを交えながら福井への愛情と優しい人柄をのぞかせていた。