伊豆の国の旧校舎が文化発信拠点に 都内IT企業がリノベ イベント対応や音響設備整う
約10年間未活用だった伊豆の国市中の旧校舎「サレジオ学院韮山セミナーハウス」が、IT企業「キューノート」(東京都)の手で文化発信の新拠点に生まれ変わった。「クロチェットスクール」という名称で、300人規模のイベントにも対応可能なスペースや、音楽ライブができる音響設備が整備された。今夏、整備後第1弾となるイベントが開催され、県内外の来場者でにぎわった。 旧校舎は同学院が手放して以降地元の懸案で、売りにも出されていた。コロナ禍の2021年、鶴田展之社長(55)が「伊豆で近くには山も海もある。面白いことができる」と思い購入。地域とコミュニケーションを取りながら活用へ向けて準備を進めてきた。 鶴田社長は、同社ビルを造った建設業者社員と一緒に旧校舎のセルフリノベーションを進めた。仕事の傍ら、外壁や屋根の塗装、元々敷かれていた畳を取り外して床やタイルを敷くなどして、23年8月にリノベーションを終えた。
施設は床面積約1700平方メートルで、鉄筋コンクリート造り2階建て。140畳と100畳の部屋のほか、ノスタルジックな雰囲気が残る元教室が3部屋ある。 鶴田社長は今夏、独立系ネットメディア出演者や著名な言論人30人以上が集結したトークフェスティバル「論壇フェス」を企画。トークの様子をオンラインで伊豆から全国配信した。鶴田社長は「今後はワークショップや音楽バンドのフェスをやりたい。若い人たちに何かを残す文化拠点になれば」とし、「電気や水の供給など、災害時は誰が来ても対応できるような設備も整えたい」と話した。