「全米オープンゴルフ選手権 2024」に特別招待、復活が期待されるタイガー・ウッズ選手の“すごさ”に迫る
「全米アマチュア選手権」を3連覇したのち、1996年にプロ転向してから2022年に世界ゴルフ殿堂入りを果たしたプロゴルファー、タイガー・ウッズ選手。卓越した技術と戦略で、これまで数々の素晴らしい成績や記録を残してきた。本記事では、今シーズンも現役で海外メジャーに出場するウッズ選手に迫る。 【写真】松山英樹選手の美しいスイングフォーム ■タイガー・ウッズ選手が成し遂げた数々の偉業 2024年で49歳になるウッズ選手は、1996年「ラスベガスインビテーショナル」で初勝利を挙げて以降、これまでの通算勝利数は82勝にものぼる。これは歴代1位タイの勝利数だ。 この82勝目は日本で開催された2019年「ZOZOチャンピオンシップ」にて、松山英樹選手に3打差をつける“完全優勝”という形で成し遂げられた。 また、ウッズ選手の素晴らしさはメジャー大会で特に際立つ。プロデビュー翌年の1997年「マスターズ」で2位に12打差という記録的な差をつけてメジャー初勝利を挙げると、ぺブルビーチ・ゴルフリンクスで開催された2000年「全米オープン」では15打差で優勝、1カ月後に開催されたセントアンドリュース オールドコースでの「全英オープン」を8打差で制した。 ウッズ選手は、「マスターズ」「全米プロゴルフ選手権」「全米オープン」「全英オープン」というすべてのメジャー大会で、それぞれ複数回の優勝を経験しており、その数は延べ15回。海外メジャー4大会を生涯のうちにすべて制覇することを“キャリアグランドスラム”と言うが、彼はこれを3度達成し、史上2人目の“トリプルグランドスラム”を成し遂げている。 松山選手の2021年「マスターズ」制覇が快挙とされることを踏まえると、複数回優勝しているウッズ選手がいかに驚異的な記録の持ち主だということが分かるのではないだろうか。 また、直近では2019年の「マスターズ」でも勝利を収めている。交通事故やそれによる怪我の影響で低迷していたウッズ選手の復活を印象付け、ファンにとって感動的な瞬間として刻まれた。 ■ここ数年の大会成績は…? 2022年と2023年は3戦ずつPGAツアーに出場。棄権や予選落ちが目立ったが、2023年の「ヒーローワールドチャレンジ」では18位というまずまずの成績を収めた。限られた試合の中、怪我の影響もあって結果を出すのが難しい状況ではあったものの、プレー内容などで確かな存在感を示している。 そして、2024年は近年の中では多くの試合への出場を予定しており、メジャー大会である「マスターズ」と「全米プロゴルフ選手権」にも出場。「全米プロゴルフ選手権」は予選落ちという残念な結果に終わったが、「マスターズ」では4日間プレーして大会を盛り上げた。 「マスターズ」予選ラウンドのスコアは、1日目「73」、2日目「72」。22位タイで予選を突破するという復調を感じさせる内容だった。3日目「82」、4日目「77」で回り、最終的には60位という結果で大会を終えている。 ■特別招待で「全米オープン」出場 昨シーズンまでは、2019年「マスターズ」優勝による5年間のメジャー資格を有していたが、今シーズンはその権利が失効。「全米オープンゴルフ選手権」への出場権を自力で獲得できなかったのは、ウッズ選手にとっては初めてのこととなった。 そんな中、「全米オープンゴルフ選手権」を主催する全米ゴルフ協会は2024年大会にウッズ選手を特別招待すると発表。これを受け、ウッズ選手は「全米オープンは本当に特別なイベントであり、私のキャリアを決定づけた大会でもあります。この招待を受けられることを光栄に思うし、パインハーストでの全米オープンはとっても大きな意味を持ちます。出場できることをとても楽しみにしています」と、意気込みが感じられるような前向きなコメントを残している。 ■レジェンドの復活と83勝目に期待がかかる 「全米オープン」に特別招待で出場するウッズ選手には、メジャー大会での復活はもちろんのこと、メジャー16勝目となる優勝に期待がかかる。優勝すれば、PGA勝利数単独1位となる83勝目も手に入る。 今大会の会場となるパインハースト・リゾートコース No.2は、その難易度と美しさで知られているコースだ。同会場で開催された2005年大会では、マイケル・キャンベル選手に競り負けて2位となったウッズ選手。そんな彼だからこそ、このコースの特性を十分に理解しているはずで、悔しい経験をバネに上位争いに食い込んでくる可能性も大いにある。 そんなウッズ選手をはじめとする世界最高峰のプレーヤーたちが集結した男子ゴルフ海外メジャー第3戦「全米オープンゴルフ選手権」は、BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)にて6月14日(金)朝4時より無料独占生中継される。