住民が守った伝説の桜満開 四国中央・土居固有の「イヨクマガイ」(愛媛)
四国中央市土居地域の関川地区で、古くから住民に大切にされている地域固有のニオイザクラの一種「イヨクマガイ」が満開となっている。県総合科学博物館の専門家によると、現在では国内でもこの地域だけでみられる珍しい品種という。桜守の住民が思いをつないで絶滅の危機を乗り越えた芳香が一帯に漂っている。 イヨクマガイを後世に残そうと栽培に取り組む県立高校の元教員で、植物など地域の自然を調査・管理している研究所(同市土居町上野)を運営する河村友和さん(75)や植物に詳しい県科博の小林真吾専門学芸員(54)によると、イヨクマガイは独特の香りのほか、1本に一重と八重の花が混在するのが特徴。ソメイヨシノに少し遅れて直径約3・5センチのピンクがかった白い花が緑の若芽とともに咲き、花は散らずにしぼんで枝に残る。
愛媛新聞社