スラムダンク井上雄彦さん、沖縄W杯で「驚かせて」 NBA渡辺雄太選手と語る日本バスケの現在地
バスケットボール男子のワールドカップ(W杯)が8月25日から日本、フィリピン、インドネシアの3カ国で共催される。日本では沖縄アリーナが会場となる大会を前に、人気バスケットボール漫画「スラムダンク」の作者、井上雄彦さんと、日本代表の中心選手として期待される渡辺雄太選手(28)=サンズ=が対談。渡辺選手が経験してきた世界最高峰リーグNBAでの厳しい競争や、新時代を迎えた日本バスケ、そしてスラムダンクについて語り合った。(共同通信運動部) ―渡辺選手は昨季ネッツでレギュラーシーズン58試合に出場。1試合平均16・0分出場、5・6得点、3点シュート成功率44・4%はいずれも5季目で自己最高でした。3点シュートや守備で力を発揮し、同僚だったケビン・デュラントやカイリー・アービングといったスーパースターの信頼も得ました。 渡辺 間違いなく僕にとって分岐点になるシーズンでした。シーズン前はなかなか契約がもらえなくて、(NBA下部の)Gリーグから、また一から始めようと思っていたぐらいでした。ネッツから無保証でまずキャンプに来てほしいと言われ、「これが本当に最後だ」という気持ちでシーズンに臨みました。そこで本当にうまくいきだしました。
大事な場面で試合に出られる時間は今までのシーズンはなかった。昨シーズンに初めて1点、2点を争う試合終盤に僕がコートに出て行って、実際に僕のシュートで勝った試合もありました。初めて戦力としてチームに認められたと感じました。 井上 今までも日本人がやっていないことをどんどん成し遂げてきましたが、今回のシーズンはすごかった。本当に力をもらいました。もうワクワクし通しだった。デュラントらスーパースターの信頼を勝ち取っているのも見ていて分かった。それもすごいことです。 一方で、シーズン途中にデュラントやアービングが他チームに移籍して、完全に違うチームになり、その後はベンチにいる時間が長くなった。あの時期はどうメンタルを保っていたのかを聞いてみたい。 渡辺 今回のシーズンは自分がやれているという感覚がすごくあったので、僕は意外と冷静にいられました。あれだけしっかり活躍もできて、結果も残せていた。トレードでメンバーが変わり、チームの方針上、出番が減るのは仕方がないという風に、完全に僕の中では割り切れていました。