自動車メーカー認証不正問題の経済への影響
関連業種も含め生産額は2,440億円減少
ところで自動車産業はすそ野の広い業種であり、最終製品の自動車生産が減少すると、関連する産業に広く影響が及ぶ。自動車の生産が一単位増減した場合、川上の産業を含む生産がどの程度増減するかを示すのが生産波及係数であるが、経済産業省の2015年産業連関表によると、輸送機械産業の生産波及係数は2.4822である。これは、自動車の生産額が983.7億円減少すると、関連する業種を含めて生産額全体はその2.4822倍となる2,441.7億円減少する計算となる。 今回の認証不正問題だけで国内景気が大きく左右される訳ではないが、物価高によって異例の弱さを示す個人消費を中心に、国内景気のさらなる逆風となるだろう。 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
木内 登英