イノシシ被害を防げ!理大狩猟部が二俣瀬の山林に箱わな設置【宇部】
山口東京理科大狩猟部の部員らが9日、宇部市二俣瀬善和の山林にイノシシを捕獲する箱わなを仕掛けた。 設置場所は農業を営む辻野正吾さん(69)が所有する山林にあるクリ園。辻野さんらが住む集落では田畑がイノシシに荒らされる被害が続いており、昨年末に新聞記事で同部の活動を知り、設置を依頼した。 同部の義岡士門部長(工学部応用化学科2年)をはじめ部員5人と、外部講師の西日本ジビエファーム代表の仲村真哉さんが現地を訪れた。 部員自らが大学の工作室で作った鉄製の箱わなを軽トラックに積み、辻野さんの先導で道幅が狭く起伏の激しい山道を進んだ。クリ園に到着すると、すぐにイノシシの足跡を見つけ、手分けして出没する経路を探った。 イノシシが西側の斜面を下り、沢を渡って侵入していることを突き止めると、通り道の草むらを抜けた場所に箱わなを設置。わなの入り口と周辺に餌の米ぬかをまいた。 仲村さんは「イノシシが安心して中に入って餌を食べるまで、入り口の扉は閉めない。定期的に巡回して米ぬかを補充しながら、徐々に奥の方にまいていってイノシシを中におびき寄せる」と説明した。 全国でも珍しい狩猟部では、現在20人の部員のうち12人がくくりわな、箱わなを扱うわな猟の免許を取得。箱わなは西万倉と山陽小野田市西高泊にも設置している。 イノシシの狩猟期は3月31日まで。辻野さんは「困っている地域の人や協力してくれた学生たちのためにも、1頭でも2頭でも捕獲できるとうれしい」と話した。