広島国際学院、乾坤一擲で仕留め静岡学園をPK戦で下す!
全国48代表校が参加し2023年12月28日に開幕を迎えた第102回全国高校サッカー選手権。31日(金)、埼玉・浦和駒場スタジアムでの2回戦・第2試合は国立競技場での開幕戦で早稲田実(東京B)に2-0で快勝し選手権初出場初勝利をマークした広島国際学院(広島)と、同じく1回戦では明徳義塾(高知)を6-0で一蹴した静岡学園(静岡)とが対戦した。 【フォトギャラリー】広島国際学院 vs 静岡学園 スタートフォーメーションは広島国際学院が「4-2-3-1」、静岡学園が「4-1-4-1」。スターティングイレブンは広島国際学院はGKが1片渕竣介(3年)。4バックは右から2藤井海地(3年)、キャプテンの4茂田颯平(3年)、3水野雄太(3年)、23岡田康誠(3年)。中盤はダブルボランチが6長谷川蒼矢(3年)と7渡邊雄太(3年)。サイドの右が13萩野巧也(3年)、左が5島川翔汰(3年)。トップ下に14戸山晴人(3年)が入り。ワントップは11野見明輝(3年)tと1回戦と同じ11人で臨む。 対する静岡学園は、GKはJ1東京ヴェルディ内定のキャプテン1中村圭佑(3年)。4バックは右から13野田裕人(2年)、4水野朔(3年)、5大村海心(3年)、16吉村美海(3年)。中盤はアンカーポジションに14森﨑澄晴(3年)が入り、その前に右から7庄大空(3年)。J2徳島ヴォルティス内定の10高田優(3年)、15宮嵜隆之介(3年)、11志賀小政(3年)の4人。ワントップは1回戦2ゴール、J1川崎フロンターレ内定の9神田奏真(3年)となった。 前半はスコアレスながらお互いの持ち味を出し合う40分間に。伝統のテクニックに加え、テンポ変化、フィジカルコンタクトに優れる静岡学園が圧倒的なポゼッション率から多彩な発想でゴールを脅かし続ければ、広島国際学院は細かいライン・ポジション修正と最後は身体を投げ出す守備で対抗。 その中で17分、広島国際学院はカウンターからFW11野見、MF5島川が連続シュートを放ったが、静岡学園GK1中村のファインセーブで先制はならず。静岡学園も35分には10高田のヒールスルーパスを受けたMF庄がGKもかわしゴールに流し込むも、ここは広島国際学院左SBの位置から現れた23岡田のカバーリングに阻まれた。 そんな試合のスコアを先に動かしたのは「辛抱強く守って1本を取る」(谷﨑元樹監督)コンセプトを堅持し、耐えながら「乾坤一擲」を狙っていた広島国際学院である。 49分、クリアボールを右サイドに流れたFW10野見が拾うと15m程度ドリブルで仕掛けた後にややマイナス方向へグラウンダーのクロス。これを受けた後半開始からトップ下に入った10石川撞真(3年)は、相手DFとの1対1に背中を一度向け引き球気味にキープしてから一気に前を向いてスピードアップし右足シュート。「あまり覚えていない」と本人は振り返るも、ナンバー10らしいテクニカルな業が決まって先制点は広島国際学院に入った。 しかし、プレミアWESTで3位と難しい試合を普段から経験済の静岡学園は、これに慌てることはなかった。迎えた54分には自陣から左足で浮き球スルーパスを出したMF14森﨑のボールに反応し抜け出したMF7庄が飛び出し、相手GKとの1対1にループシュートを選択し同点に。その後も分厚い攻撃で逆転ゴールを狙い続ける。 が、広島国際学院の粘り・闘志は最後まで衰えることはなかった。大半の時間を守備に追われながらも、切れ味鋭いカウンターで静岡学園GK1中村を再三慌てさせ1-1で80分間を終えた彼らは、続くPK戦でも最初のキッカーをGK1片渕が止め主導権を握ったまま4-3。大会初出場初勝利の勢いだけでない確かな戦術眼を発揮した広島国際学院が、見事な静岡学園超えを果たした。 かくして「もう1回国立に立つ」(キャプテンのDF4茂田)目標まであと2勝と迫ったた広島国際学院。2024年1月2日の3回戦では今日と同じく埼玉・駒場会場の第2試合でプレミア王者の青森山田(青森)と対戦する。 (写真=矢島公彦)