[1.16 練習試合 U17関西 5-6 びわこ成蹊スポーツ大 J-GREEN堺] 　無名のストライカーが、強豪校の選手や注目タレント以上の結果を残した。「2023 U17地域トレーニングキャンプ関西」が16日と17日に行われ、FW太仁紫音(大谷高2年)が躍動。16日のびわこ成蹊スポーツ大との練習試合、17日の紅白戦でいずれも2得点をマークし、関係者たちを驚かせた。 　京都JマルカFC時代は主に“切り札的”的な存在でサブ。進学した京都・大谷高は今後の躍進が期待されるチームだが、23年度のインターハイと選手権予選はいずれも4回戦で東山高に敗れるなど目立つ成績を残せなかった。だが、1年時から公式戦を経験しながら成長してきたストライカーは、「2023 U17地域トレーニングキャンプ関西」メンバーに選出。大学生や同学年のタレントと渡り合える力があることを証明した。 　びわこ大戦では、前線でのインターセプトから「あれ決めきれないと結構ヤバイから。ちゃんと落ち着いて打てた」。コントロールした右足シュートで関西U-17の初ゴールを記録。さらに左サイドから中へ仕掛けてゴール方向へ蹴り込んだボールがゴールを破った。 　本人は「あれはもうクロスです」とファーサイドの選手を狙ったものであることを認めていたが、鋭い一撃だったからこそのゴール。ゴールシーン以外にも前線でのボールキープやまだ不得意だというヘディングでも大学生相手に奮闘していた。 　周りは全国的にも名の知れた高校の選手ばかり。全国大会経験者や年代別日本代表候補経験者もいた。「初めはやっぱ正直びびってたというか……」という太仁だが、「いざやってみると、結構戦えてたっていうのもあって、それが多分、次の自信にも繋がってたかなと。それは嬉しかったです。チームで、全部で5点。5点中、僕だけ2点ていうので、そことか1個上にはいけたかなと思います」。自信を得た太仁は、翌17日の紅白戦でスペースへの動きからのゴールやポストプレーでのチャンスメークなど2得点2アシストの活躍。細かなミスや動きのズレもあったが、強豪校のタレントたちを上回る結果を残した。 　180cm、70kgで裏抜けも武器。前線でボールを収める力は特に見て欲しい部分だという。この合宿では自分の力も引き出してもらっていただけに、強度や精度の部分など学んだことを持ち帰って個人、チームでレベルアップする。 　将来の目標はプロ。また、「(今年、)チームとしての目標は全国大会に行くっていうところ。まず、京都1位になりたいです」。そのためには、選手権出場の京都橘高や東山高、他のライバルたちを上回らなければならない。「(京都1位になるためには)もっと頑張らないといけない」と語るストライカーが目標を達成し、大谷高と自身の名を全国に広める。