にじさんじ・Nornis(戌亥とこ&町田ちま)がライブツアーを通して伝えた感謝の気持ち
VTuber/バーチャルライバーグループ「にじさんじ」に所属する「戌亥とこ」「町田ちま」の2人によるボーカルユニット「Nornis(ノルニス)」がLIVE TOUR 2024 Tensegrityを開催した。今回は、9月21、28日に開催された大阪・仙台公演のレポートをお届けする。 【写真を見る】大阪公演のオープニングアクトを務めた社築 ツアーでは各公演に特別なオープニングアクトが披露される。大阪公演では社築が駆けつけ「スターライト」「ゲーム・ボーイ・アワー」を披露。「スターライト」は社築が大学時代の後輩から教えて貰った曲であると述べていたが、その後輩の見立て通り社築にピッタリな曲で本家との類似性も感じられる歌声でファンを魅了した。 オープニングアクトによって華麗に幕を開けたNornis大阪公演。基本的なセトリは横浜公演と変わらず「Tensegrity」を基調に神秘的な世界観を作りつつ、「Circle of stars」「Fragment」等これまで出していったオリジナル曲が続く。MCでは仲の良い掛け合いを披露。「何を食べた~?」とファンと直接会話する場面も多くアットホームな雰囲気が流れる。また、大阪ということもありどことなく普段のMCより笑いの絶えない時間が多いようだった。 大阪では横浜とカバーとソロパートのセトリが変更され、カバー2曲目は「アクアテラリウム」となった。Nornisの世界観にピッタリの優雅でどことなく儚い曲はライブにもピッタリ溶け込み、Nornisが奏でる旋律にファンは魅了された。この曲について戌亥は「まだ横浜公演を観ていない人のため」とMCで言及することを避けるというファンを想う一面も覗かせ、その優しさにファンはほっこり。続くソロパートでは戌亥が「白夜」を披露。これまでと少し色の違う曲を軽やかに歌い上げると、町田の「ひとひらの未来」へと続く。町田の魅力が存分に詰まった繊細で心に迫る歌声に会場が包まれた。 ソロが終わり「Min-night」「夜が明けるまで」と横浜と同じくベッドに座る2人の穏やかな歌唱パートが続くと、MCを挟み新曲「Diver」を披露。アップテンポで軽快な曲ながら、澄んだ海の中にいるようなファンタジーな世界観を2人の声が作り上げるNornisらしさ全開の新曲に会場は虜に。この曲は9/22からデジタルリリースが開始されている。新曲からオリジナル曲を数曲やり、アンコールになると舞台は最終盤。Nornisの2人がファンに感謝を述べ、歌われた曲は横浜と同じ「Try add」やはりチャレンジをしていきたいという2人の精神がよくみえる。大阪公演は大団円で幕を閉じ、Nornisはツアー最終仙台公演と向かった。 ツアーファイナル仙台公演のオープニングアクトではエナー・アールウェットが「そばかす」「君がいない未来」を披露。Nornisの2人に負けず劣らずの力強い歌声にファンが引き込まれる。その後の英語と日本語が織り交ざった可愛らしいMCではそのギャップに多くのファンが魅了された。 仙台公演でも基本的なセトリを踏襲しつつ、カバーとソロパートが変更。今回は「再会」が披露された。「再会」はTHE FIRST TAKEでも7000万回以上再生された掛け合いが魅力の曲だが、Nornisの2人が魅せる阿吽の呼吸も流石の一言。息のあった美しい音色をファンは堪能した。ソロでは町田が「背後に注意」をこのツアーでは珍しい多少の恐怖感を織り交ぜた歌声で奏でる。中毒性があるが、どこか不気味なこの曲はライブでも不思議な魅力を放った。続く戌亥の「残光」は戌亥らしさが光る温かで寄り添うような曲。ソロパートで2人の作り出したギャップにファンはさらにNornisにはまっていく。 このライブでは新曲「Wishing you」が披露された。これで全ての公演で別々の新曲が披露されたことになり、Nornisという歌姫が如何に音楽を愛しているかがよくわかる。「Wishing you」は壮大というより、むしろ2人の歌声が隣にいるような安心感のある曲で優しい陽だまりのような印象だ。この曲は9/29から各種配信サイトにてリリースされている。 最後のMCで町田は「Nornisを見つけてくれて、愛してくれてありがとう」とファンに感謝を紡ぐ。ツアー3公演を通して、町田がファン全員がそれぞれ違う人間ながらもNornisを応援してくれているという共通点を持っていることに深く感謝しているのが印象的だった。その気持ちは仙台の最後に言葉を紡いだ後の深々としたお辞儀にこもっていたように思う。戌亥は「したためてきました」と自らメッセージの台本を用意。「思い悩んだこともあったが、隣に町田がいたからここまで来られた」とファンが思わず感動する言葉たちが溢れた。また戌亥も町田同様ファンに感謝を忘れない。そうして演奏された「Try add」。このライブ最後の曲が全ての公演で変わらなかったのは、彼女たちがやはりこれからも進んでTRYしていきたいという気持ちの現れなのだろう。そして、それは戌亥が言っていたように「2人」がファンと歌として紡いでいくのだ。 文=田中諒 ⒞ANYCOLOR, Inc.
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