高さ30㍍、送電用鉄塔で救助訓練 中国電力と宇部・山陽小野田消防局【宇部】
中国電力ネットワーク山口ネットワークセンター(松永明生所長)と宇部・山陽小野田消防局(杉本秀一消防長)の合同訓練は9日、同センター善和事務所の構内訓練場で行われた。社員5人と消防隊員12人が、送電用の鉄塔で40歳代の作業員男性が熱中症で動けなくなったという想定の下、高所での救助に取り組み、連携の強化を図った。 同訓練は、送電鉄塔上の被災者の救助などを想定し、救出手順の確認を行うため、2016年度から毎年実施している。今回は、宇部中央消防署の隊員が参加した。 訓練の前に、鉄塔の知識や注意点を確認する研修が行われ、消防隊員は同センターの社員から鉄塔の昇降の仕方を教わった。 想定訓練は高さ30㍍の鉄塔で実施。消防隊員ら3人がはしご車の先端部のバスケットに乗り、約15㍍地点で助けを待つ作業員(人形)の救出に当たった。声を掛け合い、丁寧に確実に訓練を行った。 同センターの久保文敬送電第2課長は「酷暑でも作業が行われ、いつ何時鉄塔上で負傷者が発生するか分からない。安全の確保、器具の取り扱いなどを知り、スムーズな人命救助に役立ててほしい」、同局の榎原英樹警防課長は「協力体制を取れているのは心強い。参加していない消防隊員とも共有し、継続して訓練を行うことが重要」と話した。 2022年8月には、下関市で鉄塔の点検をしていた作業員が体調不良で救出された事例がある。