為替相場に静かに笑うHMM…再売却計画絡まる産業銀行と海洋振興公社=韓国
7-9月期にアーニングサプライズを記録したHMMが、10-12月期にも好実績を継続する見通しだ。海運運賃をドルで精算する特性上、ドル高が好材料として作用した影響だ。ただ業績が良くなるほどHMMの価値も高まり、再売却を準備するKDB産業銀行の悩みは大きくなっている。 海運業界によると、HMMは7-9月期に売り上げ3兆5520億ウォン(約3848億円)、営業利益1兆4614億ウォンを記録した。HMMが四半期で兆単位の営業利益を出したのはコロナ禍特需があった2022年以降で初めてだ。 ◇10-12月期運賃も高止まり 10-12月期の見通しも明るい。まずイエメンのフーシ派が紅海を通過する船舶を攻撃する問題は終わる兆しを見せずにいる。ここに中国が貿易紛争に備え世界に大量に輸出しており、海上運賃が高止まり中だ。 世界の海上運賃指標である上海コンテナ運賃指数(SCFI)は先週の2390.17と集計された。SCFIは9月末から2000~2300で上昇と下落を繰り返しているが、伝統的な海運閑散期である10-12月期も繁忙期である7-9月期水準の高運賃を維持している。通常、海運物流の書き入れ時は、ブラックフライデーの11月、クリスマスの12月を控えた7-9月期だ。 非常戒厳の余波でウォンが下がりドルが上がる環境もHMMには好材料だ。海運運賃をドルで受け取るためだ。HMMは14兆ウォンほどの現金性資産と短期金融資産の相当部分をドルで保有しており、ドル高の効果も得たという分析が出ている。 ◇上がる価値、HMMだれが買えるのか HMMの業績が改善するほどHMM経営権の不確実性が大きくなる点は逆説的だ。最近HMMの株価も強気を見せ24日基準で時価総額は16兆ウォンに達する。昨年12月に大株主である産業銀行と韓国海洋振興公社が売却交渉を始めた時より3兆ウォン近く増えた。 価値が高まると買収候補群はさらに少なくなるほかない。2月の売却交渉決裂当時に優先買収交渉者だった夏林グループの買収希望価格は6兆4000億ウォンだった。HMMの大株主が再売却に出る場合、HMMの価値は8兆ウォン前後になると予測されるというのが海運業界の見方だ。 海運業界関係者は「HMMの価値がとても高くなり買収に関心を示した夏林や東遠グループなどが再挑戦するのが難しくなり、海運業の特性上、政府の管理・監督が多い点で大企業が高価な買収価格に対し利点が大きくないとする見方もある」と伝えた。 専門家らはHMM再売却に向けて大株主2社の持ち分率を低くし売却後の経営参加の可能性を減らさなければならないと話す。韓国海洋振興公社のHMM経営権干渉の意志は今年初めに夏林と債権団の間で交渉が決裂した原因に挙げられる。当時公社は株主間契約に政府側社外理事指名権限、一定期間の株式売却禁止などの条項を盛り込もうとした。高麗(コリョ)大学法学専門大学院のキム・インヒョン教授は「HMMが保有する現金性資産を通じて全株主の株式を比率通りに買い入れれば、産業銀行と海洋振興公社も投資金を一部回収する一方で売却対象株式数を減らす効果も得られるだろう」と話した。 HMM関係者は「企業価値向上に向け自社株買い入れなど多様な方法を講じている。ただ具体的な内容と発表時期はまだ確定していない」と明らかにした。