「かんべレタス」の出荷始まる 館山の神戸地区(千葉県)
館山市神戸地区で、首都圏で人気の冬レタス「かんべレタス」の出荷が始まった。19日には同地区の畑で生産者らが、収穫作業に精を出した。 かんべレタスは、戦後駐留していた米軍が、故国の料理に欠かせないレタスをつくってほしいと、当時の同地区農家に栽培を指導したことが始まりと言われている。 海洋性の温暖な気候、ミネラルを豊富に含んだ砂質土壌など同地区が持つ豊かな気候風土を生かし栽培されており、首都圏で高い評価を受けている。 同地区では昭和36年に「冬取りレタス」の生産出荷組合として、「館山市清浄そ菜組合」を設立。現在は17軒の農家が約22ヘクタールの農地で栽培している。 この日、同地区のレタス畑では多くの農家が作業に追われ、至るところで収穫されたレタスの山が見られた。包丁で芯を切り取り、断面を拭いて一つ一つ丁寧に収穫をしていた。 JA安房野菜部会館山市清浄そ菜組合によると、資材などの高騰が続く状況に加え、干ばつの影響などもあるが、出荷量は他の生産地に比べ安定しており、4月中旬までに5万4000~5万5000箱の出荷を見込んでいるという。 片岡淳副組合長は「かんべレタスは、シャキシャキと歯応えが良くおいしいので、1人でも多くの人に食べてほしい」と話していた。館山市内では、JA安房グリーン館山店や農協の直売所、イオン館山店などで販売している。