【プレミア12】侍井端監督「感謝の気持ち」豪ニルソン監督は中日時代レギュラー獲得のきっかけ
侍ジャパンが、井端弘和監督(49)の原点の地・名古屋から世界の頂点へ駆け上がる。「ラグザス presents 第3回プレミア12」1次ラウンド・オーストラリア戦(13日、バンテリンドーム)戦に向けて12日、公式練習で調整した。中日選手時代は「ディンゴ」の登録名だった相手のニルソン監督とは、中日時代にレギュラー獲得のきっかけになった間柄だった。“因縁”の相手から、場所も同じバンテリンドームで始まる4大会連続世界一への戦い。11日夜には全28選手が名古屋市内の焼き肉店で験担ぎの決起集会を開催。結束を深めて、天下取りへ向かう。 【写真】登録名「ディンゴ」として中日でプレーしていたオーストラリアのニルソン監督 ◇ ◇ ◇ 両監督、肩を並べて24年前を回想した。前日会見に臨んだ井端監督があえて愛称で呼んだ。「ディンゴ選手の代走、守備固めでプレーして野球人生がスタートした。監督をやらせてもらっているのもディンゴ選手がきてくれたから。感謝の気持ちでいっぱいですし、明日全力でやりたいと思います」。隣に座るニルソン監督への感謝は本音。00年、運命が変わったのはメジャー・ブルワーズから中日にきたディンゴのおかげだった。 かつて同じユニホームを着ていた2人の立ち位置はまるで違った。大卒プロ3年目で、前年1軍出場ゼロの崖っぷち。一方、バリバリのメジャーリーガーが鳴り物入りで入ってきた。内野が本職ながら、守備固めの起用を模索した当時の星野監督から「外野やったことあるか?」と聞かれ「あります!」と即答したが、実際はほとんどやったことがなかった。外野で途中出場し、終盤まわってきた1打席をモノにして、入れ替わるように5月からレギュラーに定着。「その1打席のチャンスをいただいてスタメンになった。感謝してます」。足掛かりが、ディンゴの存在だった。 監督の立場になって、星野監督の思惑を想像する。「使う気があったから言われたと思う。(できないって)言える環境じゃなかったしね。下手したらキャッチャーでも『やります!』っていうぐらいの勢いはあった」。プレミア12開幕戦、座るのはその星野監督と同じバンテリンドームの一塁側ベンチ。反対のベンチにはディンゴがいる。「このプレミア12も初戦から、このような形でスタートできるのは縁を感じます」。きっかけを自力でつかんで切り開いてきた野球人生。世界一への道のりも、勝って切り開いて見せる。【栗田成芳】 ◆プレミア12大会方式 1次ラウンド(R)2組の各組上位2チームがスーパーRに進む。スーパーRは4チームの総当たりで上位2チームが決勝、3、4位は3位決定戦を行う。勝敗が並んだ場合は直接対決の結果などで順位決定。予告先発実施。コールドは1次Rに限り5回15点差、7回10点差以上。延長10回以降は無死一、二塁からタイブレーク。投手の球数制限はない。 ◆国際大会連勝中 侍ジャパンは19年に行われた第2回プレミア12のスーパーラウンド、メキシコ戦から同大会の最後に3連勝。その後も21年東京五輪(5連勝)、23年WBC(7連勝)、同年アジアプロ野球チャンピオンシップ(4連勝)と無敗で乗り切り、強化試合を除いて国際大会19連勝中だ。 <侍ジャパン予想スタメン> 1番左翼・桑原将志 2番二塁・小園海斗 3番中堅・辰己涼介 4番右翼・森下翔太 5番三塁・栗原陵矢 6番一塁・牧秀悟 7番DH・清宮幸太郎 8番遊撃・紅林弘太郎 9番捕手・坂倉将吾 投手・井上温大