佐々木蔵之介と吉田栄作の熱演に心震える、子を愛する父親同士の最後の死闘が展開<マイホームヒーロー最終回>
佐々木蔵之介が主演を務めるドラマ「マイホームヒーロー」(MBS:毎週火曜夜0:59-1:29、TBS:毎週火曜夜1:28-1:58/ディズニープラスにて配信)の最終回となる第10話が12月19日に放送された。哲雄(佐々木)と麻取義辰(吉田栄作)の死闘は、思いがけない最後を迎えた。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】愛される娘・零花の雰囲気をかもし出す齋藤飛鳥 ■哲雄が殺した相手の父親と対峙(たいじ) 同ドラマは、2017年より「ヤングマガジン」(講談社)で連載中の同名コミックを実写化したノンストップファミリーサスペンス。 ある日、娘を守るために、その彼氏を殺して“殺人犯”になった平凡なサラリーマン・鳥栖哲雄(佐々木)が、推理小説で培った持ち前の知識と家族愛を武器に冷徹で残忍な闇社会の犯罪組織と闘っていく姿を描く。また、2024年3月8日(金)には映画が公開される。 哲雄が殺した男と同じ半グレ集団に属する間島恭一を高橋恭平(なにわ男子)、哲雄の妻・歌仙を木村多江、娘・零花を齋藤飛鳥が演じる。 最終話では、哲雄と、哲雄が殺してしまった延人(内藤秀一郎)の父親・麻取義辰(吉田)が対峙。哲雄の最後の死闘が幕を開けた。 ■哲雄を苦しめながら過去を思い返す麻取 零花のマンションに侵入し、ALSライトで浮かび上がった延人の血痕を見つけて発狂する麻取。クローゼットに隠れてその様子を見ていた哲雄は、麻取の前に出て自供した。 組織のメンバーに連絡して家族全員殺してもらうと言う麻取。対して、犯行は自分だけでやったことで、自殺でもなんでもするからと請う哲雄。やがて2人はもみ合いとなり、麻取は近くにあったヒモで哲雄の首を絞めた。 そのとき、麻取の脳裏に浮かんだのは過去のことだ。親の敷いたレールを歩み、自分で選択することがなかった人生。結婚して延人が生まれても、どうしたらいいか分からず、成長した延人はいつしかグレて、少年院送りに。離婚し、一流企業での仕事も辞めた麻取に今の組織の窪(音尾琢真)が声をかけ、延人の面倒も見るという彼らのもとで「第二の人生」を始めたのだった。 その「第二の人生」も終わった…とヒモを握る手にさらに力が入る麻取。苦しむ哲雄だったが、持ち前の知識で危機を脱することに成功する。 だが、まだ緊迫の展開は続く。 ■佐々木蔵之介と吉田栄作の熱演に見入る 麻取は「人一人殺せないのか」と嘆きつつも、マンションの近くで組織のメンバーが待機しており、自分が戻らなかったら、察知して家族もろとも破滅になると、ほくそ笑む。 そしてキッチンにあった包丁を手に取り、「似たところ、またあったね。僕たちは無力だ」と言いながら哲雄に近づく麻取。包丁を振り下ろしたその先は、自分の腹だった。 唖然としながら、「絶望だ。僕が延人を殺してしまったから、彼にはもう、なにもないんだ」と思う哲雄。その目前で、麻取はさらに包丁を深く刺し、息絶えた。 麻取の断末魔を見事に演じた吉田。そして、哲雄の恐怖と、一方で首を絞められているときに逃げる対応をする冷静さも表現した佐々木。第5話に続いて、2人のベテラン俳優の真骨頂を見た。 さて、麻取の遺体を山中に埋め、愛する家族の元に戻った哲雄。その物語が本当に完結するのは、最初から告知されていた2024年3月公開の映画版となる。 麻取は自分と哲雄が「無力」と言ったが、その真意を考えてしまう。少なくとも哲雄は本当に「無力」だろうか。家族を守りたいという強い気持ち。それが犯罪に向かってしまったのはいけないことだが、驚くばかりの冷静さもあっていくつものピンチを乗り越えてきた。まさに“ノンストップ”なハラハラドキドキの展開を見せた哲雄の行動はどう帰結するのか、楽しみだ。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部