島根県飯南町の酒蔵で9月27日、新酒の発表会が開かれました。この酒蔵では、例年10月に新酒の出荷が始まりますが、今シーズンはひと月ほど早く新酒に切り替えたということですが、その背景には全国的な酒瓶不足という事情がありました。 9月27日、飯南町で開催された新酒の発表会です。 出荷を迎えたのは、100年近い歴史を持つ蔵で受け継がれてきた主力銘柄の「絹乃峰・純米吟醸55無濾過生原酒」。飯南町産のコシヒカリの一等米を100％使用し、当日絞られたばかりの「初しぼり」です。 店頭では、新酒を待ちかねた客が早速買い求めていました。例年なら10月後半に開かれる新酒発表会。赤名酒造では、今シーズン「島根県で一番早い新酒」と銘打って、1か月ほど前倒ししました。異例の早さの新酒発表会となった理由は。 赤名酒造・三島崇暁社長： （最大手瓶会社の）酒瓶製造撤退による全国的な瓶不足混乱などで、酒を作っても詰める瓶がない状況が続き、仕込みの続く2024年2月にいったん日本酒の製造を止めることとなりました。 2022年に大手の瓶メーカーが撤退した影響で、ｍ全国で酒瓶が不足。この蔵でも瓶が調達できず、一時仕込みを中止しました。このため、例年に比べ在庫が不足。これを補うため、新酒の仕込みを前倒しし、異例の早さで出荷にこぎつけました。 新酒の第一弾は、うすにごりと超にごりの2種類、それぞれ300本を限定出荷。例年の半分程度の量ですが、9月27日から酒販店やインターネットで販売されているほか、台湾、オーストラリアにも、テスト輸出されるということです。 赤名酒造・三島崇暁社長： 香り高い、よいお酒になりました。コシヒカリは酒米と違い、非常にお酒に味わいが出やすい、その味わいもしっかりと楽しんでいただけますし、香りもフルーティーで果物のような香りです。 ただ酒瓶不足は依然続いていて、酒造関係者は今後、例年通り生産ができるのか気をもんでいます。