残り5分で引き分け狙ったJ1アビスパ福岡 次節は覚悟「引き分けは許されない」「ただの1試合ではない」
◆明治安田J1リーグ第31節 磐田0―0福岡(21日、ヤマハスタジアム) アウェーで18位の磐田とスコアレスドローに終わったJ1アビスパ福岡の亀川諒史(31)は「満足のいく結果ではないけど、ネガティブになってもしょうがない」と10試合ぶりの零封を前向きに受け止めた。 ■報道陣に囲まれ監督退任について語る【写真】 長谷部茂利監督の下で堅守を軸としたチームは勝ちがなかった前節までの全9試合で失点し、計15ゴールを許していた。ホームで0―3と完敗した14日の町田戦後の約1週間、守備の練習に時間を多く費やしたという。 磐田戦ではウイングバックで先発出場した亀川を含め、中盤と最終ラインが連係をとり、4月の対戦で2ゴール決められたジャーメイン良を徹底マーク。約4カ月ぶりにスタメン復帰したGK永石拓海の好セーブもあり、ゴールを割らせなかった。亀川は「まずは失点しないというところをこの1週間やってきた。そこは評価するべき」と誇った。 0―0のまま迎えた後半残り5分ごろには長谷部監督がリスクを減らして引き分けを確実に取る守備的な戦いを指示した。負ければ磐田との勝ち点差は4に縮まり、残留争いに巻きこまれてしまう危険があったため。現実的な選択だが、粘り強く守り抜き、引き分けでも勝ち点を積み重ねるのが長谷部アビスパの真骨頂だ。 亀川は「試合前から引き分けでOKと思っていたわけではないし、点を取るところは大きな課題。ただ今は試行錯誤しながらやっている中で、どう結果を持って帰るかもフォーカスしているし、何も悲観することはない」と受け止めた。 センターバックの宮大樹も「ジュビロ(磐田)さんに勝ち点3を与えなかった意味では及第点」とプラスに捉えたスコアレスドロー。ただ、次節はライバル鳥栖との九州ダービーだ。亀川は「次の試合はただの1試合ではなく、順位どうこうというより、本当に大事」と勝利にこだわり、宮も「次の試合は引き分けは多分許されない」。3戦連続無得点の攻撃を次こそ改善させ、約3カ月遠ざかっている白星をつかみ取る覚悟を示した。
西日本新聞社