リハビリテーションの第一人者が提言! その次の訓練をしやすくする、効果的なストレッチ
“正しい訓練”でおこなえば、手の機能はUPする! 脳卒中後遺症である運動マヒは、発症から6ヵ月たつとマヒの改善がほとんど見込めなくなるといわれています。上肢のリハビリテーション治療で一番大切なことは、マヒのレベル(程度)にあった正しい訓練法です。マヒがよくなるには順番があります。『腕が上がる 指が動く 脳卒中によるマヒのためのリハビリテーション・ハンドブック』より、患者さんがより自主的に取り組みやすいようにマヒのレベルにあわせた段階ごとの訓練法を紹介します。 【写真付きで解説】腕が上がらない人のための訓練法! STEP1から厳選紹介!
ストレッチから始めよう
STEP1 ~4の訓練を始める前には準備体操(ウォーミングアップ)としてストレッチをおこないます。上肢マヒを改善するための重要な筋肉ごとに紹介しています。 いつやるか ●STEP1~4の訓練を始める前、また、訓練中に筋肉のつっぱりを感じたときにもおこ ないます。 ●仕事や家事の合間にできるものもあります。 ●入浴中や入浴後はからだが温まっているためとくに効果的です。 効果 ●硬くなっている筋肉の柔軟性が得られ、次におこなう動きの助けになります。 ●どこの筋肉を伸ばしているのか意識しながらおこなうことで、硬くなっている部位がわかります。 ●毎日継続することで、機能低下を予防することができます。 やりかたのポイント ❶ ゆっくり、30秒ほどキープ 勢いをつけたり、瞬間的に力を加えると筋肉が緊張してしまって逆効果です。“ゆっくり”を心がけましょう。 ❷ 筋肉が伸びるのを意識する 筋肉に心地よい伸張感が生じる程度が適切です。紹介する筋肉ごとにできそうなポーズを選んでおこないます。 ❸ 痛みが出たら 痛みの生じ方は個人差があります。とくに痙縮が強い場合、動かし始めに痛みを生じることがしばしばあります。最初はつっぱり感があっても、時間をかけてゆっくりと筋肉を伸ばすことで軽減していきます。 【注意】骨まで響くような強い痛みを感じたり、ゆっくりおこなっても強い痛みが持続したりする場合は、無理をせずに途中でやめましょう。専門の医師や療法士にアドバイスをもらうようにしましょう。