（左から）遠藤利明氏、鈴木憲和氏、加藤鮎子氏

　第50回衆院選で県民の審判が下った。県内3小選挙区は前新10人が出馬し、自民党が2014、17、21年に続き4回連続で3議席を独占した。比例東北ブロックで国民民主党の新人1人が復活当選を確実にした。県内3小選挙区の平均投票率は60.82％で、前回（64.34％）を3.52ポイント下回った。 　本県の比例復活は14年の近藤洋介氏（現米沢市長）以来。 　小選挙区の当選者はいずれも自民前職で県1区が遠藤利明氏（74）、県2区が鈴木憲和氏（42）、県3区が加藤鮎子氏（45）。比例復活確実は国民新人の菊池大二郎氏（42）＝県2区。 　全選挙区で自民前職に、立憲民主、国民、連合山形の2党1団体統一候補と共産党などの複数新人が挑む構図だった。 　県1区の遠藤氏は他候補の応援などで地元を離れる日が多かったが、中盤から支援組織の運動が活発化し、10選を果たした。 　立民新人の原田和広氏（51）は山形市を中心に街頭演説を重ね、政権批判票の取り込みを狙ったが及ばなかった。

菊池大二郎氏

　県2区の鈴木氏は分厚い支援組織を生かし、終始盤石な戦いを展開。北・西村山でも強さを見せ、5選をつかんだ。 　菊池氏は舟山康江参院議員に支えられて短期決戦に臨み、地元北村山のほか置賜でも一定の集票に成功し、比例復活を確実とした。 　れいわ新選組新人の二藤部冬馬氏（42）は浸透が限定的だった。 　県3区の加藤氏は逆風を感じながら序盤に支援組織を引き締め、保守層に加え無党派層にも支持を広げ、4選をたぐり寄せた。 　立民新人の石黒覚氏（68）は地元酒田市で支持を集めたが、鶴岡・田川、新庄・最上で票を伸ばせなかった。 　共産の県1区三井寺修（44）、県2区岩本康嗣（59）、県3区山田守（62）の3氏は広がりを欠いた。 ◇県関係の当選者 (1)現職(2)最終学歴(3)主な経歴(4)出身地☆は比例代表との重複 【県1区】 　遠藤　利明74　自前 (1)政党役員(2)中央大(3)日本スポーツ協会長、党中央政治大学院長。五輪相、党選対委員長、党総務会長。当選10回(4)上山市

【県2区】 　鈴木　憲和42☆自前 (1)政党役員(2)東京大(3)農林水産副大臣。党青年局長、外務政務官、党農林部会長代理、農水省職員。当選5回(4)東京都江戸川区 【県3区】 　加藤　鮎子45☆自前 (1)政党役員(2)コロンビア大院(3)こども政策担当相、国土交通政務官、環境政務官、経営コンサルタント。当選4回(4)鶴岡市 【比例東北】 　菊池大二郎42☆国新 (1)政党役員(2)学習院大(3)行政書士。参院議員秘書、県議会農林水産常任委員長、県議、村山市議。当選1回(4)村山市