「車券に貢献するのはこんなに嬉しいことか」ケガで大敗続いた競輪グランプリレーサーが7か月ぶりの確定板入り
netkeirin連載コラム『不屈の男・金子貴志の奮闘記~40代の挑戦~』
Yahoo!ニュースをご覧の皆さんこんにちは、金子貴志です。今回は久しぶりに確定板に載ったことを書いていきたいと思います。
7か月ぶりの確定板
2月7日の岸和田競輪、最終日の一般戦でしたが、3着になり確定板に載ることができました。 確定板に載ったのは、昨年7月12日の富山競輪最終日の2着以来です。自分でも最後にいつ確定板に載ったのか忘れてしまっていたくらいですから、大袈裟ではなく“選手になって一番嬉しい3着”でした。 このコラムにも時々書いていましたが、腰を痛めてからはなかなか思うような練習ができていませんでした。体幹に力が入らず豆腐のペダルを踏んでいるような感覚で、自転車がなかなか前に進みませんでした。 レースでも流れに乗っていけず大敗が続いていました。そんな時でも、オッズを見ると自分から車券を買って応援してくれている人がいるとわかり、「なんとか確定板に載って応えたい」と思って走っていました。
この3着は私にとって大きな一歩になりました。長い間、光の見えないトンネルにいたので、少しだけ光が見えてきたような感じがします。
遠ざかっていたウエイトトレーニングを再開
以前私は、YouTubeにデッドリフトの動画を上げていました。そして最近、動画に「デットリフトはどうなりましたか」とコメントが届いているのに気づきました。腰を痛めてからウエイトトレーニングはまったくできていなかったのです。 ですが、同じ腰の痛みを持つ新潟の鈴木庸之君や松岡健介君から「軽くてもいいからウエイトトレーニングをした方がいいですよ」というアドバイスをもらいました。「ウエイトはある程度の重量でやらないと意味がない」と思い込んでいましたが、20キロから再開し、今では120キロまで上げられるようになり、力が入る感覚を得られています。
以前のデッドリフトの重量は220キロだったので重さは半分程度ですが、懐かしい感覚が戻ってきたような気がします。今までは重量にこだわりすぎていましたが、考え方を変えて、できる重量でやっても十分効果があることを実感しました。 これまでは目の前の成績に焦るばかりで、高いところを見過ぎてしまっていたように思います。実際はやれることがたくさんあるのに、前はできたことができないという焦りで頭が固くなりすぎていました。今は原点回帰して、現状の自分にできることを見つめ直しています。