【独自取材】知られざる北朝鮮の作家事情 “洗脳文学”書いていた脱北作家語る“超エリート”だけが書ける『1号形像物』金一族を神のような存在に祀り上げるため…当局が流す“ジュエ氏に関する噂”
北朝鮮でベストセラーかといわれているのが、金親子に実際に会った人たちが書いた体験記とされる「徳性実記」です。柱聖さんが考えた「徳性実記」の例が、平壌に住む家族の体験です。金正日総書記が深夜に灯りが灯る一室を目撃し、その部屋に「金正日です、夜更けに何を?」と訪れると、幼い子どもが「明日、父親が労働党に入党しますが、首領さまのために『つつじの花』しか用意できない」と泣いていました。このことに金正日総書記は感動し、父親の出世と最高級家電などを贈ったというものです。
Q.こういう所に娘とされているジュエ氏の話が出てくると、後継者の可能性は高まりますよね? (「アジアプレス」ジャーナリスト・石丸次郎氏) 「もし出てきたら、後継者の可能性はぐっと高まります。ジュエ氏が後継者候補だという確定的なものは何もありませんが、今、ジュエ氏の露出がすごく増えていますよね。ジュエ氏について、当局がさまざまな情報を流しているようです。例えば、『まだ幼いけれど、ものすごく頭の回転が速くて、一度会った人の顔は忘れない』とか『幼いのに、すでに金総書記の補佐をしている』とか、そういう情報を当局があえて流しているような兆候があります。そういうことを積み重ねていって、数年後、十数年後に『幼い頃から立派だった』という逸話作りの材料を、早くも流しているように感じています」 (「情報ライブ ミヤネ屋」2023年12月19日放送)
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