<いざ令和の春>センバツ鳥取城北 支える/3 守備・投手コーチ /鳥取
◇基礎を重視、生活指導も 小池利明さん(46) 晴れた空、黒い土、ワンプレーごとに歓声が上がるアルプススタンド――。小学生のときに親に連れられて初めて訪れた聖地の雰囲気は今でもはっきりと覚えている。球児としてはグラウンドの土を踏むことはできなかったが、鳥取城北の守備担当コーチとして選手とまい進し続ける。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 西大和学園中(奈良)で10年間、監督や部長を務めたが知人の紹介もあり、2018年に鳥取城北へ。小学校に上がったばかりの長女は大勢の友達もでき、思案したが妻の後押しもあって決断した。 練習では徹底して基礎を重視。ボールから決して目を離さないといった基本的なことを当たり前のようにできるようになってほしいと願う。 一方で、生活指導にも力を入れ「当たり前のマナーをきちんとみんなが守れるよう、一番熱心だ」(マネジャーの西村茉侑奈(まゆな)さん)と評価も高い。家庭では2児と一緒にディズニーのアニメ映画「リメンバー・ミー」などを見るのが楽しみな、良きパパでもある。 ◇経験と実績、選手も尊敬 大林仁さん(35) 鳥取城北を卒業後、社会人野球の名門・日立製作所(茨城)など実業団で左腕として活躍。経験に裏打ちされた指導は部員からの信頼も厚い。 選手時代は肩や肘などのけがとの闘いだった。投手陣には2019年秋の中国地区大会以降は特にストレッチの大切さを説く。下半身強化とあわせ「みんな球自体も伸びが増している」と目を細める。 阪上陸投手(2年)は「経験や実績があり、説得力がある。『俺についてこい』といったような頼もしさがある」と尊敬のまなざしを向ける。学校では進路指導室に所属し、生徒らの進路もサポート。「受験でも就職でも、“合格”報告を聞くのが何よりうれしい」と顔をほころばせる。=つづく