65歳以上は平均「毎月3万8000円」の赤字。これを配当で賄うのは可能?老後も緩く続ける運用
株式投資の配当金とは?
株式を発行する企業が、自社の株式を保有する株主に対して利益の一部を還元する仕組みがあります。その分配される利益のことを「配当金」と呼び、企業によって配当金の有無や配当利回りは異なります。 配当利回りは、1株当たりの年間配当金を、現在の株価で割って求めます。例えば、現在の株価が500円で、年間配当金が5円だった場合、配当利回りは1.0%です。 では、老後に不足する生活費を配当金で賄うには、どのくらいの投資金額と、配当利回りが必要となるのでしょうか。今回は、東京証券取引所のデータを基に考えてみます。 ●東証プライム市場の平均配当利回りは約2% 東京証券取引所では上場区分が設けられており、その中で最も上場基準が厳しい市場がプライム市場です。株主数や時価総額などが一定以上の企業が上場している市場であり、国内外において知名度が高い企業もこの市場に属しています。 2024年3月29日時点では、全上場会社数3938社の内、プライム市場には1651社が上場しています。 東証プライム全銘柄の平均配当利回りの今期予想値は2.10%、前期基準は1.97%となっており、個別で見れば5.0%を超える企業もあります。 例えば、配当利回りが2.0%で、毎月3万8000円(年間45万6000円)の生活費を補う場合、約2280万円の投資額が必要となる計算です。 単純に考えれば、投資資金さえ確保できれば生活費を賄えることになりますが、誰しもが準備できる金額ではありませんし、株式投資のリスクも考えなければなりません。 ●株式投資のリスク 株式投資には、大きく分けて2つのリスクがあります。1つは、株価の変動によって損をする可能性がある「価格変動リスク」、もう1つは投資した会社が破綻する可能性がある「信用リスク」です。 例えば、大きな金額を1つの銘柄に一括投資した場合、価格変動の影響が大きくなり、受け取った配当金以上の損失が発生するリスクが高くなります。 また、投資先の企業の経営状況が悪化して破綻した場合、配当金を受け取れなくなるどころか、投資した金額がゼロになる可能性もあります。 では、なるべくリスクを抑えつつ、毎月3万8000円の赤字を補うには、どのような投資戦略が必要になるのでしょうか。