吉野家の「ダチョウ丼」反響は? まずは1000万円の利益を目指す
ダチョウ肉はクサみがなく栄養価が高い
吉野家は8月28日から、スピーディアでとれたダチョウのモモ肉とヒレ肉をローストビーフ風に仕立てた丼にダチョウのガラスープを添えた「オーストリッチ丼~スープ添え~」(1683円)を全国の約400店舗で発売した。限定約6万食を発売したところ、1店舗1日当たり平均10~20食が売れ、比較的早い段階で終了したそうだ。 「メニューの開発では10種類以上を検討したのですが、ダイレクトに素材のおいしさを味わえるローストビーフ風を選択しました。ダチョウ肉を食べたことがない方が多いので、カレーなどの複雑な味わいではなくストレートに旨味を感じていただこうと考えました」(広報担当者) 気になるダチョウ肉の味についてSNS上の反応を見ると、賛否両論あるものの高評価が目立つ。具体的には「鴨肉に近い」「クセがなくおいしい」「やわらかくてジューシーな食感」といった声が見られた。一方、「クサみが苦手」という感想もいくつかあった。 「お客さまからの反響では、『鶏肉なのに見た目が赤いことに驚いた』という外観に関する声と『味にクセがない』という感想を多くいただきました」(広報担当者) 「ダチョウの肉は処理後、すぐに冷凍しています。店舗の担当者も肉の状態を慎重に管理するなどして高い品質を保っています」(辻氏) 1683円という価格は「かなり努力して設定した」というが、消費者から「高い」という声が多かった。これは吉野家HDでも把握しており、「今後の関連商品の価格は検討したい」との回答だった。
ダチョウのオイルを使った化粧品も発売
ダチョウは「第4の肉」として期待されているが、副産物としてとれる「オイル」も売り上げ拡大に貢献するという。ダチョウの油は牛のように霜降り状に入るのではなく、分離した脂肪組織として存在しており、その組織から純粋なオイルを精製できるという。 スピーディアが実施したダチョウのオイルに関する研究では、肌水分量を増加させ、美容成分を肌に浸透させ続ける能力が高いことが証明されている。特に、近年人気の成分であるナイアシンアミドに関しては、オイルの塗布により浸透効果が23倍になることが分かった。 こうしたオイルの利点を生かし、「グラマラスブースターオイル」(5720~1万5400円)、「グラマラスエイジングクリーム」(1万6500円)、「モイスチャーマスク」(550~5500円)などの商品を販売している。「ブースター」とは、化粧水や美容液を塗る前に塗布し、化粧水や美容液の浸透を高める化粧品だ。 「化粧水や美容液はお好みの製品がある方が多いと思います。それらを生かす製品をラインアップしていて、今お使いの製品に追加していただくイメージです。明確なターゲット層は定めず、健やかなお肌を求める全ての方に向けて販売しています」(練木氏) 自社及び、日本調剤とヨドバシカメラの通販サイトで販売するほか、都内を中心にポップアップショップも展開。販売開始から1カ月強の現時点での反響を尋ねると、「想定以上に男性や外国人からの関心がある」という。 「意外な反響については、吉野家HDが開発した化粧品だから、というのもあるかもしれません。特に、顔に貼って使用するモイスチャーマスクが男性に好評です。『日焼けなどで顔が火照った際に使うと鎮静作用で赤みが抑えられる』といった口コミが寄せられ、リピート購入が増えています」(練木氏)