黒澤明の大傑作「七人の侍」は、海外で今、どう見られているのか。メルボルン鑑賞リポート
クラシックな日本映画が今、海外で上映されることへの感慨深さ
ちなみに、「七人の侍」の上映を記念して、10月10日より黒澤監督の「生きる」「蜘蛛巣城」「隠し砦の三悪人」「用心棒」「椿三十郎」「天国と地獄」「赤ひげ」「羅生門」も、4Kや2Kリマスター版が限られた映画館で上映されている。限定公開であっても、日本から遠く離れたオーストラリアで、「スター・ウォーズ」にも影響を与えた、日本を代表する監督の映画が、時代を超えて多数上映されるというのは感慨深いものがある。 なお、筆者が「七人の侍」の上映を知ったのは、9月下旬ごろからInstagramのストーリー機能で上映の広告が流れるようになったから。メルボルンでは、ハリウッド大作でもない限り、街やSNSで映画の広告を見ることはまれなので、映画の情報は自ら積極的に調べなければならない。 だからこそ、配給会社であるマッドマン・エンターテインメントのサイト内に特設サイトが設けられ、映画館にポスターやフライヤーが置かれていたことから、「七人の侍」の上映にかなり力を入れていることがわかった。 余談だが、「七人の侍」と同年に公開された「ゴジラ」(54年)も同じく70周年ということで、メルボルンでは11月上旬に「ゴジラ・フィルム・フェスティバル」が開催された。11月2日に上映された1作目の「ゴジラ」も大盛況だった。
ライター 梅山富美子