ゴールドマン、ドルの終焉に関する報道は「大きく誇張」されていた
(ブルームバーグ): 米国が外国勢による米国債保有残高を報告する方法が最近変更されたことで、2021年以降の米国債の売り越しが過大評価されていたことが分かったと、ゴールドマン・サックス・グループのアナリストが指摘した。
ゴールドマンのイザベラ・ローゼンバーグとレクシー・カンターの両氏は、新たな評価額調整後の保有残高の指標が、大半の地域が積極的に米国債を売却していないことを示唆していると分析。保有残高が減少した主な理由は米国債の下落であり、為替介入という一時的なケースの可能性もあるという。
両氏は「言い換えれば、このデータは、脱ドル化を目的とした広範かつ積極的な米国債売りが行われたとの主張に反する内容だ」とし、「われわれはドルの終焉(しゅうえん)に関する報道が大きく誇張されていたと考えており、最近の米国債保有のパターンはこの見方と一致している」と指摘した。
中国の米国債保有について、ゴールドマンのアナリストらはベルギーとルクセンブルクが中国の外貨準備の大規模なカストディアン(保管者)である可能性を示す証拠を発見した。つまり、こうした中国の米国債保有はカストディアンの所在地に基づいて記録されることになる。
この「保管バイアス」を考慮するため、アナリストらはリポートで中国、ベルギー、ルクセンブルクをひとまとめとして扱い、中国の米国債保有は「ほぼ安定」している可能性が高いとの見方を示した。
米財務省が発表した最新統計によれば、中国の4月の米国債保有残高は増加した。
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原題:Goldman Finds Reports of Dollar’s Demise ‘Greatly Exaggerated’(抜粋)
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Malcolm Scott