イギリス総選挙4日投開票 スナク首相も当落線上、現職落選なら初
英国の下院(定数650)総選挙が4日、投開票される。各種世論調査では、スターマー党首率いる最大野党・労働党が400議席前後を得て圧勝する見通し。一方、与党・保守党はスナク首相自身も当落線上の危機という「悪夢」(英紙タイムズ)に直面している。 【イギリス総選挙】労働党が14年ぶり政権奪還か 英調査会社ユーガブが世論調査(6月11~18日)を基に発表した議席獲得予想は、労働党425▽保守党108▽自由民主党67▽スコットランド民族党20――など。このほか、右派ポピュリスト政党「リフォームUK」も初めて議席を獲得する見通しだ。 注目は、中部ノースヨークシャー州の選挙区で落選の可能性が報じられているスナク氏だ。英メディアによると、現職首相が落選すれば英国史上初という。その場合、スナク氏は政界を引退して米カリフォルニア州に移住するとの観測も流れ始めたが、スナク氏は民放ITVに「事実ではない」と否定した。 保守党の規約では、党首は議員であることが条件。このため落選すれば自動的に党首の資格を失い、総選挙後に次期党首選が実施されることになる。 総選挙は2大政党に有利な単純小選挙区制。2019年の前回総選挙では、欧州連合(EU)離脱を推進したジョンソン元首相率いる保守党が圧勝した。【ロンドン篠田航一】