阪神D1位のNTT西日本・伊原陵人、社会人ラストの大会は初戦敗退 「プロの世界で日本一を目指す」
社会人日本選手権第4日(1日、NTT西日本0-3Honda、京セラ)1回戦3試合が行われ、阪神からドラフト1位指名を受けたNTT西日本(大阪)の伊原陵人投手(24)がホンダ(東京)戦に先発し、四回途中2失点4四死球と乱調。チームは0-3で初戦敗退となり、不完全燃焼に終わった左腕は虎での日本一を誓った。 虎のドラ1として臨んだ社会人最後の大会は、あっけなく終わった。NTT西日本・伊原は自身初の日本選手権で初戦の先発を託されるも、四回途中5安打2失点KO。表情に言葉に、隠しきれない悔しさがにじんだ。 「高めに抜ける球が多かったり、制球面に関しては、いつも通りの投球ができたか、というところは『100点満点でできた』とは答えられない。本当に実力不足」 試合前は誰よりも大きな声援を受け、期待を全身で感じながらマウンドへ。一回は磨きをかけてきた直球で果敢に攻め、9球に及ぶ粘り合いにも屈することなく三者凡退で切り抜け、自己最速タイの149キロもマークする上々の発進だった。 だが、その後はピンチの連続。三回は先頭への四球をきっかけに1死からの連打と犠飛で2点を献上すると、続く四回は2安打と死球で満塁を招いた。ここで降板。制球力が武器もまさかの4四死球で「先発がああいうイニングで降りているようでは試合をいいように運べない」と、零敗を喫した中で責任をかぶった。 社会人での日々は、大事な試合を任されながらも勝利をもたらせないことが多い2年間だった。課題を克服し、育ててくれたチームへ恩返しをしたかったが、ここでも成せず。ただ、道はプロ野球という最高のステージへつながっている。この現状は真正面から受け止め、巣立つ。 「まだまだ足りないところ、課題もいっぱいある。そういうものを一つずつ潰しながら、プロの世界で日本一というところを目指したい」 この悔しさを忘れることはない。必ずや、成長の糧とする。(須藤佳裕) ■伊原 陵人(いはら・たかと) 2000(平成12)年8月7日生まれ、24歳。奈良・橿原市出身。小1で軟式野球を始める。智弁学園高3年時にエースとして春の選抜大会出場。大商大では2年秋に関西六大学リーグの最優秀投手、3年春にベストナイン。NTT西日本では2年連続で都市対抗に出場し、今夏は8強入りに貢献。今秋のドラフト会議で阪神から1位指名された。家族は両親と4歳上の兄。血液型はB型。170センチ、77キロ。左投げ左打ち。