エヌビディアのフアンCEO、初の世界長者番付トップ10入り
米半導体大手エヌビディアの株価が21日の米株式市場で史上最高値を更新し、ジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が資産額を伸ばして、フォーブスのリアルタイムの長者番付トップ10に初めてランクインした。 過去にファミレスチェーンのデニーズで給仕などの仕事をしたことがあるフアンは、2020年代の生成人工知能(AI)ブームに絡む人物としてはおそらく最も知名度が高い。 フアンの純資産は、米国東部標準時間21日午後2時までに32億ドル(約4825億円)増の1236億ドル(約18兆6370億円)となった。ファンと入れ替わって番付11位に順位を下げた元マイクロソフトCEOのスティーブ・バルマー(資産1224億ドル=約18兆4600億円)を抜いた。 フアンはエヌビディアの株式の約3.5%を保有しており、これらの時価総額は1222億ドル(約18兆4260億円)。フアンの資産の大部分は同社株だ。 1993年の創業以来、CEOとしてエヌビディアを率いてきた61歳のフアンは、夏に7億1300万ドル相当の株式を売却しているが、それでもまだ同社最大の個人株主だ。また、1990年代初めから同社の取締役を務めているテンチ・コックス、ハーベイ・ジョーンズ、マーク・スティーブンスの3人も富豪だ。 エヌビディアは、アマゾンやグーグル、メタ、マイクロソフト、テスラといった他のテック大手が開発する高度なAIアプリケーションに必要なカスタムチップを設計する最大手だ。バンク・オブ・アメリカの最近の調査によると、カリフォルニア州サンタクララに本社を置くエヌビディアは、急成長しているAIアクセラレータ市場で約80%のシェアを持つ。同社のGPU(グラフィック・プロセシング・ユニット)はビデオゲーム業界では長い間よく知られていたが、話題のOpenAIのChatGPTなどを支えている大規模言語モデル(LLM)に必須のものであることが証明され、引き合いの多い製品となった。 製品を入手しようと顧客が「本当に躍起になっており」、需要は「常軌を逸している」とフアンが表現したほどだ。 フアンの資産は、2年前の9月に発表された米国の富豪400人のランキング「フォーブス400」では206億ドルだった。エヌビディアの製品に対する「常軌を逸した」需要は同社の株価と業績の爆発的な上昇をもたらしている。株価は過去2年間で1000%以上上昇し、今会計年度(2024年12月~2025年1月)の利益は前年比1400%増が見込まれている。 バルマーはマイクロソフトに34年間在籍して財を成した。バルマーがこのほどフォーブスに語ったところによると、米政府のデータにアクセスできるようにすることを目的に立ち上げた非営利企業USAFactsに1億ドル(約150億円)以上投じたという。
Derek Saul