「虎に翼」優三さんから大河主演まで「着実に夢を叶えているのはなぜ?」という質問に、仲野太賀の答えは…
「なぜ、夢を叶えられたのだと思いますか?」への答えは
――座長としてこうあらねば、というような思いはありますか? 今まで何回か主役をやらせていただいたことはありましたが、僕は主演としての振る舞いにこだわったことがあまりないんです。こだわっていない僕を選んでくださったわけだから、「オレは大河の主役だ!」みたいなことは求められていないのかなという気がします。これまでの僕を知っている人が、現場でそんな僕を見たら驚かれそうですし(笑)。いつも通りにしていればそんなに悪い雰囲気にもならないかなと。 ――仲野さんはコミュニケーション能力の高い方ですしね。 割とオープンマインドなタイプなので、いつも通りにしていた方が、周囲もリラックスしてやってくれるのかなという感じもしています。 もちろん、何かトラブルが起きたときに、自分が前に出て言わなきゃいけない役回りになることもあるかもしれませんが、そのときは提案できることがあればしようと考えています。でも、まだ撮影まで1年あるので、現場のことまで考えてはいないです(笑)。 ――Audibleの「仲野太賀のポッドキャスト」では、アラスカやネパールのランタン谷など、辺境を旅された様子などを楽しく語っておられます。お仕事がお忙しいから、何もない自然に触れてバランスをとっていらっしゃるのでしょうか? シンプルに旅が好きなんですよね。旅に行って、見たことのないものに触れたり、やったことのないことをするのがもともと好きです。東京にいても、新しい発見を探してしまう自分がいます。旅で知らないことに出会うと五感が活性化して、栄養をもらったように感じます。自然はコントロールの効かないことばかりなので、それを全身で浴びるのがすごく好きですね。 ――では、旅先のちょっとしたトラブルも楽しめますか? はい。楽しめちゃうタイプです。 ――忙しいなかでも、行きたいところに行き、仕事ではリスペクトする方々と次々に作品でタッグを組まれて、大河の主演も決まり、着実に夢を叶えていらっしゃるように見えます。 そうですね……確かに。 ――なぜ、夢を叶えられたのだと思いますか? 仕事に関しては、それなりに貪欲だったことと、やっぱりこの仕事が好きだということが根本にある気がしますね。 ――岩松了さんや宮藤官九郎さんなど、多くの俳優さんがご一緒したいと思うクリエイターの方から何作も声がかかるというのは、それだけ結果を残し、次も組みたいと思わせる魅力をお持ちということです。ますます面白い作品にたくさん出演し続けてください! ありがとうございます。舞台『峠の我が家』を楽しみにしていてください。『新宿野戦病院』もぜひ最後まで観てください! 仲野太賀(なかの・たいが) 1993年生まれ、東京都出身。2006年俳優デビュー。21年の映画『すばらしき世界』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、ブルーリボン賞助演男優賞、22年にエランドール賞新人賞を受賞。最近の主な出演作に映画『笑いのカイブツ』『熱のあとに』『四月になれば彼女は』(全て24年)、ドラマ『初恋の悪魔』(日本テレビ 22年)、『いちばんすきな花』(フジテレビ 23年)、『虎に翼』(NHK 24年)など。『新宿野戦病院』(フジテレビ)に出演中。映画『十一人の賊軍』が11月1日、『本心』が11月8日に公開。
黒瀬朋子