Skateboarding Unveiled vol.10 ~My Favorite Local 静岡~
静岡のシーンを創り上げてきた先駆者たち
今の彼らの活躍があるのは、以前からシーンを盛り上げてきたスケーターがいたからに他ならない。 その代表的なスケーターが前述の中坂優太ではないだろうか。今年40歳を迎えた彼の戦歴は2007年、2008年のéS Game of S.K.A.T.E.連覇が燦然と輝く。そこでテクニカルスケーターとしての地位を確固たるものとした彼は、2年連続でアメリカへ乗り込み日本代表として戦い、権威ある専門誌TRANSWORLD SKATEboarding JAPANの「ROOKIE OF THE YEAR」にも輝いた。静岡から全国に名前を広めた走りの存在と言って差し支えないだろう。 また彼と自分は同世代でもあるため、共に繰り広げた撮影セッションは数知れず。そこで自分の撮影スキルは格段に向上したと思う。現在の彼はコーチとして五輪候補と共に世界を飛び回るまでに飛躍。いつの時代も自分に良い影響を与え続けてくれる存在だ。立場は違えど、これからも彼とはお互い切磋琢磨して自分越えを果たし、いろんな現場で仕事をし続けていきたいと思っている。
では彼の一世代下の代表格といえば誰になるだろうか。そこは原悠真で異論はないはず。レッジやステアを中心に攻める”ド”ストリートスタイルは、いかにも静岡らしい。これは私見ではあるのだが、彼は程よく都会な静岡市で生まれ育ったモデルケースではないかと思う。 また知られざる話として、彼は青木勇貴斗が本格的にスケートボードにのめり込むきっかけとなった存在でもあることも忘れてはいけない。それは幼少期に彼を通じて多くのスケーターと知り合えていなければ、今の自分はないとインタビューで本人が断言しているほど。とあるローカルの世代間の素晴らしい繋がりが垣間見られるエピソードではないかと思う。
ここまでは静岡シーンを引っ張ってきた人物を紹介したが、他にも様々な人を撮影させてもらってきたので1枚だけ紹介したい。これは過去に自分が撮影した静岡の写真の中でも、とりわけスポットのインパクトが大きかった写真。このフルパイプはなかなかお目にかかれるものではない。 ライダーは薩川幸矢、通称バージョンと呼ばれるスケーターで、この世代の静岡におけるマスコットキャラクターのような人物。彼のようなスケーターが、帰省するたびにスポットをアテンドしてくれたので、素晴らしい写真を残すことができたと思っている。この場をもって感謝の言葉を伝えたい。