「無料塾」運営の24歳、生徒に伝えたい言葉「“いい人間”じゃなくていいから」
いま塾に通っている生徒は、中学1年生から高校3年生までの35人。勉強は苦手だけれど絵がとても上手な子もいれば、以前は通学していたものの、授業で指名されて頭が真っ白になったことをきっかけに、不登校になった子もいます。でも、1人1人はみんな心の優しい生徒たちです。 そんな生徒を見守るのは、湯川さんと、志に賛同した7人の大学生ボランティア。塾そのものは福祉系の独立行政法人による助成金や、一般の方々からの寄付金によって運営されています。「特に地元の皆さんの支えが大きいんです」と湯川さんは話します。 ただ、湯川さんは子どもたちに対し、試験に通るだけの受験テクニックはほとんど教えていません。生徒1人1人の事情に寄り添い、自分の人生をどう生きたいか、自分の頭で考えてもらっています。 そして、自分でものごとを考えられるようになったお子さんは、勉強にも自然と「やる気」がみなぎってきます。たとえ湯川さんが宿題を出さなくても、自ら質問を持ってきてくれるようになり、成績も徐々にアップしていくと言います。 湯川さんは生徒たちと向き合いながら、力強くこう語りかけます。 「勉強はあくまでも目標を実現する手段。できなければ他のやり方もある。そして、別に『いい人間』じゃなくていいから、人生をもっと楽しんでいこう!」