駆除ウニ使いTシャツ 富山県氷見高・ゴールドウイン・とやまのめ、秋に発売
駆除したムラサキウニを廃棄野菜で養殖し、食用化を目指している富山県の氷見高校は、ゴールドウイン、一般社団法人とやまのめ(射水市)、同法人の事業会社「シテン」(同)と共に、ウニの殻を染色材料にしてベージュ色のTシャツを作り、秋に発売するプロジェクトを始めた。生徒や関係者が22日、養殖実験が行われている県栽培漁業センター(氷見市姿)で打ち合わせた。 プロジェクトは「ウニとやさいクルプロジェクト×アパレル」と名付け、能登半島地震で養殖ウニが一時全滅した困難を乗り越え、農業、漁業関係者の思いとともに「ウニ色」が広がる願いを込めた。この日は氷見高海洋科学科3年の岩崎凪一(なぎと)さん、竹岸遼臥(りょうが)さん、草山惺仁(せいと)さん、仲谷陸来(なかやりく)さんのほか、ゴールドウインの大坪岳人ニュートラルワークス事業部長、とやまのめの中谷幸葉代表らが参加した。 大坪部長は、ビールのモルトかすやコーヒーかすなど廃棄される物で染色した商品開発を進めていることを紹介。今回は氷見のウニの殻のほか、小松マテーレ(石川県能美市)が持つ天然成分を活用して合成繊維を染める技術を生かし、石川県にある帝人のグループ会社の工場で作った生地を用いる、“北陸尽くし”のTシャツになると説明した。
岩崎さんは「自分たちの活動が企業に伝わりうれしい。いずれは氷見でも販売し地元の盛り上げにつながればいい」と話した。 ゴールドウインは無地のTシャツを自社サイトや直営店で取り扱うほか、とやまのめは氷見高美術部員の案を基にしたデザインを施した120枚を趣旨に賛同する人に販売し、ウニの養殖を行う生徒も着用する。