芸術を心の「インフラ」に 高岡市美術館、地元作家らの作品紹介
能登半島地震をきっかけに、地域の文化を見つめ直してもらおうと、高岡市美術館は12日、「こころのインフラ」展を同館で始めた。災害からの文化財レスキューをテーマに20日に開くシンポジウムの関連企画。同館が収蔵する地元作家らの作品を展示している。27日まで。 市美術館のコレクションから金工、漆芸、日本画、洋画など幅広い分野の28点を展示。地域ゆかりの作家の作品をそろえ、「ふるさとへの視点」「こころの眼」「いのりの造形」の3章で構成した。 市出身の堀浩哉さんが描いた大作「風を読む日-1」や、市出身の故村上炳人(へいじん)さんが鉄枠の中の人物を制作した彫刻「壁」が並ぶ。今月亡くなった砺波市の洋画家、林清納さんの「鎮魂II」、昨年永眠した高岡市の重要無形文化財保持者(人間国宝)、大澤光民さんの「鋳ぐるみ鋳銅渦文皿」も紹介している。 村上隆館長は「『こころのインフラ』として、地域の心のよりどころとなる作品を見てほしい」と話す。企画展は観覧無料。 シンポジウムは「『こころのインフラ』を守る」と題し、20日午後1時半から市生涯学習センターで開く。国立文化財機構文化財防災センターや歴史資料ネットワークの関係者らを招き、阪神大震災以降の取り組みをたどり、今後できることを考える。参加無料